「無料」モバイルゲームの裏側――開発者は利用者の忍耐を逆手に取り、広告収入を搾り取る


  • 「Block Blast」は、プレイヤーに広告を見せるため難易度を調整している疑い
  • 無料パズルゲームの広告収入は、5カ月間で1億2,700万ドルに達したと報じられている
  • 隠されたゲームの仕組みが、プレイヤーの不満を広告収入に変えている可能性

Ayoshipsと名乗る開発者が、Hungry Games社のパズルアプリ「Block Blast」のコードをリバースエンジニアリングしました。その結果、プレイヤーを広告視聴へ誘導する意図的な仕掛けが明らかになったといいます。

このアプリはダウンロードこそ無料ですが、2026年1月から5月までの5カ月間で、広告収入は約1億2,700万ドルに上りました。

この開発者によると、アプリはプレイヤー自身の腕前ではなく、開発側にとってそのプレイヤーがどれだけ価値を持つかに応じて難易度を調整している疑いがあります。

無料ゲームはどのように忍耐を操っているのか

報告によると、ゲームのコードには、スマートフォンの機種、地理的な位置、過去の広告との接触履歴といったデータでプレイヤーを評価する仕組みが含まれているとされます。

こうした指標を使えば、ユーザーの購買力や広告としての価値を推定できます。その結果が、アプリ側のプレイ体験の制御に影響している可能性があります。

高価なスマートフォンを使うユーザーは、古くて安価な端末のユーザーより商業的な価値が高いとみなされるのかもしれません。

同様に、地理情報からは平均的な消費者の所得が推測できます。広告システムは、どの層から大きな収益を見込めるかを見積もれるわけです。

報告された手法は、価値の高い広告対象を見極めることだけにとどまりません。

ゲームが使う仕組みの一つが「Boost then kill」です。ラウンドをいったん簡単にしてから、一気に難しくするものだと報じられています。

この流れによって、プレイヤーは自分が非常に上手くプレイできていると思い込みます。その結果、ゲームをやめずに続けようとする動機が生まれます。

調査によると、ゲームの難易度は突然、極端に高くなることがあります。プレイヤーは、もう一度挑戦する権利と引き換えに、動画広告を見るよう促されます。

この手法は、先へ進むには広告の提案を受け入れるしかないと思わせることで、不満を広告収入に直結させています。

このゲームには、スコアをひそかに水増しする仕組みも含まれているとされます。これにより、広告の見返りとして得られる報酬が実際以上に魅力的に見えます。

コード内には「reward」「bait」「moreCleanSuccessRound」といった記述があります。報道によると、最後のものは、自信を持たせるために設計された簡単なラウンドを指しているといいます。

これらの仕組みが説明どおりに動作しているのなら、プレイヤーは本物の実力による成果と、判断を左右するためのソフトウェア側の調整を見分けにくくなります。

広告収入が呼ぶ、欺瞞的なゲーム設計への懸念

Block Blastの事例は、広告で収益を上げるゲームが抱える懸念を示しています。商業的な動機が、難易度や報酬、進行の設計に影響を及ぼしているかもしれないという懸念です。

無料で遊べるからといって、ユーザーが何も支払っていないとは限りません。ユーザーの注意や視聴時間そのものが、貴重な収入源になり得るからです。

モバイルゲームでは、追加ライフや再挑戦の権利を得るための任意の広告が一般的です。

しかし、広告の視聴を促すためにあえて不満を高めるとなれば、話は変わります。倫理的に別の問題が生じます。

Ayoships氏自身がAI搭載のモバイルアプリを開発しています。そのため、同氏によるBlock Blastのコード解釈を評価するには、第三者による検証が重要です。

現時点で得られている調査結果からは、疑われている難易度の調整がどのくらいの頻度で起きるのかはわかりません。すべてのプレイヤーが同じ扱いを受けているのかどうかも不明です。

さらに、これらの仕組みが広告の機会に応じて自動的に作動するのか、ソフトウェアに組み込まれた別の条件に従っているのかも、まだ明らかではありません。

観察された挙動が通常のゲームバランス調整ではなく、意図的な操作にあたるのかを判断するうえで、こうした違いは重要です。

出典:minimachines

翻訳元: https://www.techradar.com/pro/the-dark-side-of-free-mobile-games-how-developers-reverse-engineer-your-patience-to-milk-ad-revenue

本記事は techradar.com の記事を翻訳・要約したものです。