家庭用カメラの「賢さ」の中核、クラウドからデバイス内へ

過去10年の大半において、スマートカメラシステムの「スマート」な機能は、他者が所有する外部のハードウェア上で動いていました。つまり、映像はセキュリティ企業が保有し、問い合わせへの処理も裏側で実行され、その答えが所有者のスマートフォンに送り返される仕組みです。多くの場合、月額料金がかかります。 

しかし今年に入り、一連の出来事(特に不穏なナンシー・ガスリー事件)によって、この状況が変わりつつあります。カメラが何を認識できるのか、できないのかだけでなく、その認識処理が実際にどこで行われているのかを問う声が増えています。

月額課金のAI機能

とはいえ、クラウドを前提としたモデルは依然として健在です。Googleのカメラ製品群は現在Google Home Premiumに統合されており、利用者は月額10ドルまたは20ドルを支払います。それでも、「顔の認識(Familiar Faces)」などの人気機能には、さらに別の特別な契約が必要です。Geminiを活用したアラートやAIによる要約も、同様に有料枠に置かれています。

こうした仕組みを奇妙に感じる人もいるかもしれませんが、実際にはそうではありません。顔の認識、クリップの整理、映像に関する質問への回答には計算能力が必要です。長年、その能力を置く最も手軽な場所は、利用者に費用を請求するデータセンターでした。 

ただし、ここにきて問題が表面化しました。これらの機能はいずれも、映像が家の外に出て別の場所で処理され、契約が続いている間しか利用できない仕組みに依存しているのです。

頭脳を一台の機器に収める動き

プライバシーへの懸念は日ごとに高まっています。セキュリティ機器メーカーの間では、カメラの音声・映像の処理をすべて自宅内にとどめたいと考える購入者が多いとの見方が広がり、その方向に賭けるメーカーが増えています。

この点で、今年のCESではReolinkが、ローカルでの検知、検索、処理を担うスタンドアロン型ハブを披露しました。クラウドへの依存を完全に排除する製品です。同様に先月、スマートホーム向けセキュリティ大手のEZVIZは、IFAのステージで、クラウドを必須ではなく任意とするローカル優先の製品群を打ち出しました。ただし、同社はクラウドストレージの販売を続けており、一部の機能はオンラインのままです。

人気の高いセキュリティカメラ兼スマートホームブランドのLorexによると、同社のConnect Vシリーズはクラウド契約なしのローカル録画に対応しています。検知機能はモデルによって異なります。任意のクラウドバックアップも利用でき、所有者は映像を自前の機器に加えて、オフサイトにも保管できます。

ローカルAIには「宿題」も

とはいえ、前述のデータ処理を丸ごと自宅内に移せば、責任の大部分が所有者に移ります。顔認識を行うレコーダーは、単に映像を保存するだけの機器よりもはるかに価値の高い標的です。そのため、ファームウェアの更新、強力で固有のパスワード、機器をインターネットに直接公開しないことが、より重要になります。 

顔認識には、近隣住民や通行人を撮影することに関する問題もあります。これに関する規則は、州や国によって異なります。

それでも、市場の姿は明らかに変わりました。1~2年前まで、AI機能は主に有料プランに加入する動機でした。しかし今では、機器そのものに組み込まれるケースが増えています。購入者は、カメラの知能を月額で借りるか、完全に自分のものにするかを、現実的な選択肢として選べるようになりました。いずれにせよ、業界にとって興味深い数年間になりそうです。

(写真:Jakub Zerdzicki)

翻訳元: https://hackread.com/smartest-home-camera-moving-off-cloud/

本記事は hackread.com の記事を翻訳・要約したものです。