大手IT企業、子どものスクロール制限を目指すカリフォルニア州の計画に反発し提訴

この記事のポイント

  • カリフォルニア州は、16歳未満のユーザーに対する自動再生とパーソナライズされたフィードの停止を求めている
  • Google、Meta、TikTokは規制を阻止するため提訴
  • 年齢確認は成人のプライバシーにも懸念をもたらす可能性がある

Google、Meta、TikTokは11月4日、ギャビン・ニューサム知事が9月に署名した州議会法案1709号(AB 1709)の無効を求め、それぞれ連邦裁判所に提訴しました。

3社は、2027年に施行予定のこの法律について、言論の自由を侵害し、保護者の判断を覆すものであり、オンラインプラットフォームを保護する連邦法とも矛盾すると主張しています。

AB 1709は、対象となるプラットフォームに対し、16歳未満のカリフォルニア州ユーザーへの、次のような機能の提供を禁じています。

「エンゲージメントの最大化を目的とし、強迫的な利用につながることが予見できる、心理的に搾取的な機能」

法律は具体例として、パーソナライズされた「中毒性のあるフィード」と自動再生を挙げています。さらに、州司法長官が規則によって追加の機能を定義することも認めています。

子どもによるプラットフォームの利用そのものを禁止するわけではありません。制限対象の機能を取り除けば、アカウントは維持できます。取り除かない場合、プラットフォームはアカウントと関連する個人情報を削除しなければなりません。

また、制限対象の機能を提供する前に年齢確認を行うことも義務づけています。動画の検索、クリエイターのフォロー、非公開のやり取りは引き続き可能です。検索に基づく一部の結果、ユーザーが明示的に求めたコンテンツ、ダイレクトメッセージは、条件付きで例外とされています。

カリフォルニア州の主張は、害は子どもが目にする内容だけにとどまらないというものです。パーソナライズされたおすすめや自動再生といった機能によって、サービスが利用を続けさせようとする仕組みからも害が生じ得ると考えています。

法律の発想は単純です。やめ時を見極める役割を10代の若者に丸投げするのではなく、利用を引き延ばすために作られた仕組みの一部をプラットフォーム側に取り除かせようというものです。

各社の主張

各社の主張は、いくつかの関連する論点に分けられます。

Metaは、どの投稿をどのように並べて表示するかは、合衆国憲法修正第1条で保護される編集上の判断だと主張しています。訴状では、カリフォルニア州が自らを次のような存在に仕立てようとしていると非難しています。

「オンライン上の言論の編集者、キュレーター、そして支配者」

TikTokも「おすすめ」フィードについて同様の主張をしています。動画の選択と配列によってキュレーションされた製品が生まれるとし、これは州が自由に再設計できる単なる仕組みではなく、言論の自由で保護されると述べています。

Googleも、YouTubeのおすすめ機能は、膨大な動画の中からユーザーが関連性が高く適切なコンテンツを見つける助けになると主張しています。自動再生についても、順番に視聴することを想定したコンテンツには有用だと擁護しています。

対立の核心は、これらが州による規制の対象となる有害な製品機能なのか、それとも言論の自由で保護される編集上の判断なのかという点です。カリフォルニア州は有害になり得る製品設計だと位置づけ、各社は言論の公表に関する保護された判断だと位置づけています。

各社はペアレンタルコントロールも論点に挙げています。Googleは、家庭にとって何が適切かを決めるのは保護者が最適だと述べています。TikTokは、既存の10代向けアカウントの保護策や「ファミリーペアリング」機能を挙げ、この法律は表現の自由を制限し、保護者から判断を奪うと主張しています。Metaは、パーソナライズ機能は年齢に応じた体験の提供に役立つ場合があると付け加えています。

ビジネスモデル

背景には商業的な利害、つまりエンゲージメントもあります。ユーザーが戻ってくる頻度、滞在時間、やり取りの量は、いずれもプラットフォームの事業に直結します。

Metaの年次報告書によると、同社は収益のほぼすべてを広告から得ています。また、コンテンツの表示方法や製品機能の変更は、利用時間、ユーザーのエンゲージメント、業績に影響し得るとも記しています。これは各社が提訴した理由を示すものではありませんが、おすすめ機能や自動再生への規制が財務面に影響し得る理由の説明にはなります。

これらの機能を外した結果、ユーザーの利用時間が減れば、広告を表示する機会も減る可能性があります。さらに、法令を順守するには、ユーザーの年齢確認や16歳未満向けに異なる体験を提供するといった、製品面・運用面の変更も必要になります。

若者は未来の顧客です。大手IT企業はこの点を十分に認識しています。Metaの年次報告書は、若年層を投資の優先分野に挙げ、ユーザーの獲得と維持を競争上の目標と位置づけています。若者がプラットフォームに参加し利用する方法に制限がかかれば、長期的なユーザー戦略にも影響が及ぶ可能性があります。

今後の展望

カリフォルニア州は、注目を集めることで成り立つビジネスモデルの重要な部分に挑んでいます。Metaの年次報告書は、コンテンツの表示方法や若年ユーザーへの対応に影響する規制が、ユーザー数の伸び、エンゲージメント、業績に響き得ると投資家に警告しています。

そして、年齢確認の問題があります。サービス側は制限対象の機能を提供する前にユーザーの年齢を確認しなければならないため、必要となる年齢確認は子どもだけでなく成人にも影響し得ます。確認方法によっては年齢に関する情報の共有が必要となり、プライバシー上の懸念が生じます。情報漏えいが起きた場合に機微なデータが流出する新たな機会にもなりかねません。

筆者としては、ユーザーの年齢にかかわらず、プラットフォームは強迫的な利用を前提とした設計をやめるべきだと考えます。成人にも、より健全なオンライン体験を享受する権利があります。こうした保護をすべてのユーザーに適用すれば、機能を使わせてよいかを判断するために年齢を確認する必要もなくなります。プラットフォームは広告の機会をいくらか失うかもしれません。しかし、サービスの成功を測る尺度は、オンラインで過ごす時間だけであるべきではありません。


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翻訳元: https://www.malwarebytes.com/blog/news/2026/11/big-tech-sues-over-california-plan-to-limit-kids-scrolling

本記事は malwarebytes.com の記事を翻訳・要約したものです。