ゼロトラストネットワークアクセス(ZTNA)ソリューション:ユースケース別おすすめ製品(2026年版)

VPNはついに終焉を迎えつつあり、その後継となるのがZTNAです。ネットワーク全体へのトンネル接続ではなく、個々のアプリケーションへの最小権限アクセスを実現します。

とはいえ、最適なZTNAは組織の状況によって大きく変わります。使いにくいVPNを置き換えたい従業員40名のスタートアップと、SASEへの統合を進めるグローバル企業とでは、必要なツールがまったく異なるのです。

そこで本ガイドでは、8つのZTNAソリューションを、それぞれが真に力を発揮する状況ごとにマッチングして紹介します。要点を先に述べると、素早いVPN代替にはTwingate、大規模エンタープライズにはZscaler、そしてネットワークとセキュリティの統合を求めるミッドマーケット企業にはCato Networksがおすすめです。

ZTNAはリクエストごとにIDとデバイスの状態を検証し、一度に1つのアプリケーションへのアクセスのみを許可します。そのため、認証情報が盗まれても開かれるのは1つの扉だけで、建物全体には入れません。

要点だけ知りたい方へ: ZTNA(ゼロトラストネットワークアクセス)は、ネットワークレベルのVPNアクセスを、アプリケーション単位でID・デバイスの状態を検証したうえで許可する方式に置き換えるものです。ユーザーは基盤となるネットワークにはアクセスせず、許可された特定のアプリケーションにのみ接続します。これにより、アカウントが侵害された場合の水平移動(ラテラルムーブメント)をそもそも設計上排除できます。

本記事は正直にラベル付けされた体系的なリサーチに基づくものであり、ラボテストの実施は主張していません。各ベンダーとユースケースのマッチングにあたっては、対象となる導入企業にとっての展開の手間(エージェント型かエージェントレス型か、価値実現までの時間)、アーキテクチャ(独立系ZTNAか統合型SASE/SSEか)、ID・デバイス状態検証の深さ、グローバルなパフォーマンス網、価格の透明性といった観点で評価しました。

各製品は、そのカテゴリーに単に存在するだけでなく、そのユースケースにおいて信頼できる第一候補であることを選定基準としました。ここで2026年の実情として一貫して注意すべき点があります。ZTNAは単体製品としてではなく、SSE/SASEプラットフォームの一部として購入されるケースが増えているということです。そのため、いくつかのおすすめ製品は、より広範なスイートのZTNAモジュールという位置づけになります。

最適な導入企業: 動作が遅く過剰な権限を許してしまう旧来型VPNという切実な課題を抱えるスタートアップやSMB。

Twingateなら、半日でVPNを置き換えられます。軽量なコネクタ、コードとして定義される最小権限アクセス、インバウンドポートの開放不要、そして小規模チーム向けの実に太っ腹な無料プランを備えています。本リストの中でもゼロトラストへの導入が最も穏やかで、開発者フレンドリーかつAPI駆動型、さらに調達プロセスを経ずに小規模チームがすぐ始められる価格設定になっています。

このユースケースで選ばれる理由: 小規模チームが求めているのはプラットフォーム移行ではなく、今週中にVPNをなくすことです。Twingateは最小限の手間でまさにそれを実現します。

強み: 数分で価値を実感できる導入スピード、ネットワークを外部に晒さない最小権限モデル、IaC/APIネイティブ対応、無料プランに加え手頃な有料プラン。

注意点: 設計思想としてアクセス制御を主眼としているため、IPSやサンドボックスといった高度なインライン検査が必要になれば、いずれより包括的なプラットフォームが必要になります。フルSSEではありません。

避けるべきケース: Web セキュリティとCASBを今すぐ統合したい場合は、統合型プラットフォームの方が適しています。

最適な導入企業: ユーザーが世界中に分散しており、大規模にVPNコンセントレーターを廃止したいエンタープライズ。

Zscaler Private Access(ZPA)は、160以上のデータセンターにまたがるセキュリティクラウドである「Zero Trust Exchange」を経由してアプリケーション接続をブローカーします。ユーザーはネットワークに一切触れることなくプライベートアプリケーションにアクセスでき、アプリケーションがインターネットに露出することもありません。非常に大規模な環境で運用可能な、最も成熟し実績のあるゼロトラストアクセスプラットフォームであり、Zscaler Internet Accessとの緊密な連携によって完全なSSEを構成します。

このユースケースで選ばれる理由: これほどの規模とこれほどの成熟度でゼロトラストアクセスを運用しているベンダーは他にありません。数万人規模のユーザーを抱える組織にとって、ZPAのアーキテクチャと展開網は安心できる王道の選択肢です。

強み: 大規模なグローバルクラウド、アプリケーションを一切露出させないアーキテクチャ、ZIA/SSEとの緊密な連携、アナリストからの高い評価。

注意点: ユーザー単位の料金は大規模導入時に交渉が必要になります。プラットフォームへのコミットメントは相応に大きく、小規模チームでは使いきれない機能に対して費用を払うことになりかねません。

避けるべきケース: エンタープライズ未満の規模であれば、より機動的で低コストな選択肢で十分カバーできます。

最適な導入企業: ZTNAを単一の統合プラットフォームの一機能として利用したいミッドマーケット企業やスリムなエンタープライズ。

Catoは、SD-WAN、FWaaS、SWG、CASBと同じクラウドネイティブなプラットフォーム上でZTNAを提供します。単一のコンソール、単一のポリシー、単一のエージェントを、グローバルなプライベートバックボーン上で運用できます。5つのツールを個別に統合するより1つのプラットフォームを運用したいチームにとって、ZTNAはあらかじめネットワークとセキュリティの基盤に組み込まれた形で提供されます。

このユースケースで選ばれる理由: 統合こそがCatoの価値です。リモートアクセス、拠点間ネットワーキング、セキュリティが単一のポリシーモデルのもとに統合されており、小規模チームでも迅速に導入し、シンプルに運用できます。

強み: 真の意味での単一プラットフォームによる統合、予測可能な低遅延を実現するプライベートバックボーン、シンプルな運用、ミッドマーケットに適した価格設定。

注意点: 独立系ZTNA専業ベンダーと比べると、一部で単体ZTNAとしての深さに劣る面があります。最大の価値を得るには、単なるアクセス製品ではなく統合プラットフォームとして導入することが前提となります。

避けるべきケース: 既存のネットワーク環境の上に最高峰のZTNAを重ねたい場合、Catoの提案とは方向性が逆になります。

最適な導入企業: 透明性の高いユーザー単位の料金と迅速なZTNA導入を求める中小・中堅企業。

Harmony SASEは、Check Pointが2023年に買収したSMB向けの公開価格制ZTNA「Perimeter 81」のDNAを受け継ぎ、そこにCheck Pointの脅威防御機能を組み込んだ製品です。迅速なエージェント型/エージェントレス型アクセス、分かりやすいユーザー単位の料金体系、そして本当に素早いセットアップにより、Twingateに次いでゼロトラストへの導入の心理的ハードルが低い選択肢の一つとなっています。

このユースケースで選ばれる理由: 透明性のある料金体系と迅速な導入により、小規模チームでも長い営業プロセスを経ずにZTNAを購入・運用でき、しかもセキュリティベンダーならではの脅威インテリジェンスの裏付けがあります。

強み: 公開されたユーザー単位の料金、迅速な導入、ZTNAとSWG/FWaaSを1つに統合、Check Pointの脅威防御。

注意点: 買収後にパッケージ内容が変化しているため、現行のプラン区分は必ず確認してください。エンタープライズ規模での深さはZscalerやPalo Altoに一歩譲ります。[要確認: Harmony SASEの現行プラン]

避けるべきケース: グローバルエンタープライズ規模の展開や高度なカスタム統合が必要な場合には不向きです。

最適な導入企業: ゼロトラストアクセスの背後に最も深いインライン検査機能を求めるエンタープライズ。

Prisma Accessは「ZTNA 2.0」を提供します。これは単発のアクセス判断にとどまらず、許可されたトラフィックに対して継続的に信頼を検証し、継続的にセキュリティ検査を行う仕組みです。Palo AltoのフルスタックのApp-IDと脅威防御機能に支えられ、Strata Cloud Managerを通じてハードウェアとクラウドのポリシーを統合管理できます。クラウド配信のためにインライン検査の深さを犠牲にしたくないチームにとって、まさに基準となる存在です。

このユースケースで選ばれる理由: 「アクセスを許可することは、それを放置することではない」というZTNA 2.0の思想は、成熟したセキュリティチームが実際にリスクをどう捉えているかと合致しています。他の軽量なZTNAでは実現できない検査の深さを備えています。

強み: 認可済みセッションへの継続的な検査、高度な脅威防御、ハイブリッド環境向けの統合ポリシー、アナリスト評価での高いポジション。

注意点: プレミアム価格に加え、モジュールを重ねるごとにコストが積み上がります。この深さを活かせるのは専任のセキュリティチームを抱える組織です。

避けるべきケース: 単にVPNを置き換えたいだけの小規模チームであれば、活用しきれない機能に対して料金を払うことになります。

最適な導入企業: 既にCiscoのネットワーク環境とDuoのID基盤を運用しているエンタープライズ。

Cisco Secure Accessは、Duo譲りの強力なID・デバイス信頼機能、Umbrellaによる DNSレイヤーのセキュリティ、Talosの脅威インテリジェンスを備えたSSEプラットフォームにZTNAを組み込んでいます。Ciscoのネットワーク機器やXDRともネイティブに連携します。既にCiscoの環境を導入している組織にとっては、IDと統合の基盤が既に整っていることになります。

このユースケースで選ばれる理由: DuoレベルのID検証とCiscoとのネイティブな統合により、ZTNAで最も難しい部分であるID・デバイス状態の信頼できるシグナル取得を、既に社内で解決できていることになります。

強み: DuoによるID・デバイス信頼、UmbrellaとTalosによるセキュリティ、Ciscoのネットワーク機器・XDRとのネイティブ連携、単一ベンダーによる一貫した責任体制。

注意点: 複数のコンポーネントを組み合わせたプラットフォームであるため、コンソールの一体感はまだ発展途上です。最大の価値を発揮するのはCisco環境内です。

避けるべきケース: Cisco・Duoユーザーでない場合、選ぶ理由となるエコシステムの優位性が得られません。

最適な導入企業: ゼロトラストの取り組みが実質的にデータガバナンスの取り組みでもある組織。

Netskope Private Accessは、プライベートネットワーク「NewEdge」上でZTNAを提供し、業界トップクラスのCASBとDLPで包み込んでいます。そのため、アクセス判断には豊富なデータコンテキストが伴い、アプリケーションアクセスを許可するのと同じプラットフォームが、そこを通過するデータの扱いも統制します。「誰がこのアプリケーションにアクセスできるか」と「そのデータで何ができるか」が一体の問いとなる場面で、Netskopeは両方に答えます。

このユースケースで選ばれる理由: データコンテキストにより、ZTNAは単なる接続制御からガバナンス制御へと進化します。これはデータ重視のセキュリティプログラムがまさに必要としているものです。

強み: ZTNAを取り巻く卓越したCASB/DLP、NewEdgeによるパフォーマンス、統合されたSSEポリシー、データ移動に対する強力な可視性。

注意点: プレミアム価格であり、ZTNA単体が導入理由になるわけではありません。購入すべきはあくまでデータプラットフォームとしての価値です。

避けるべきケース: データガバナンスの要件がなく、単純なリモートアクセスだけを求めている場合には不要です。

最適な導入企業: 実績のある費用対効果の高いSASEプラットフォームの中でZTNAを利用したい分散型エンタープライズ。

Versaは、統合SASEスタックの一機能としてZTNAを提供しており、そのセキュリティには裏付けとなる実績があります。同社のNGFWはCyberRatingsの最上位評価「Recommended」を獲得し、有効性99.90%、推奨ベンダーの中でMbpsあたりのコストが最も低いという結果を残しています(2025年第1四半期時点)。さらにGigaOmの2026年SASEレポートでは「Leader」かつ「Outperformer」に位置づけられています。拠点数の多いネットワークにとって、ゼロトラストアクセスと本格的なネットワーキングの深さを、大手ベンダーより抑えた価格で両立できます。

このユースケースで選ばれる理由: 検証された有効性とMbpsあたりのコストの優位性により、コスト重視の導入企業でもセキュリティと予算の両面で説得力のある「SASE内蔵型ZTNA」という選択肢を得られます。

強み: 第三者機関によって検証されたセキュリティ、本格的なルーティング機能を備えた統合SASE、強力なマルチテナント対応、積極的な価格設定。

注意点: ブランド認知度や販売チャネルの面では大手に一歩譲ります。最大限の価値を得るにはSASEプラットフォーム全体を導入することが前提となります。

避けるべきケース: 単一の小規模拠点向けにシンプルな単体ZTNAだけを求めている場合、SASEの広範な機能はオーバースペックです。

素早いVPN置き換えにはTwingate、エンタープライズ規模にはZscaler、統合型ミッドマーケットにはCato、公開価格制のSMB向けにはHarmony SASE、検査の深さにはPrisma Access、Duo中心のエコシステムにはCisco、データ重視のプログラムにはNetskope、そして検証済みの費用対効果にはVersa。8つのツールがそれぞれ異なる「扉」を閉じてくれます。

まずは自組織が本当に抱えている最初の課題から考えましょう。「VPNがひどい」という課題であれば、素早く導入できる単体型ZTNA(TwingateやHarmony SASE)を選び、後から拡張すればよいでしょう。「SASEへの統合を進めている」という課題であれば、ZTNAがその上に乗る形のプラットフォーム(Cato、Zscaler、Prisma Access、Cisco、Netskope、Versa)を選ぶべきです。

次に、そのZTNAが本当に信頼できるかを見極める要素を検討しましょう。ID・デバイス状態検証の深さ(ユーザーだけでなくエンドポイントの健全性まで検証できるか)、そしてアクセスが継続的に評価されるのか一度きりのチェックで済まされるのか(Prisma AccessのZTNA 2.0の考え方が一つの基準になります)。

契約社員や未管理デバイス向けにエージェント型・エージェントレス型双方のフローをテストし、実際のユーザーが所在する地域からのレイテンシを確認しましょう。そして、ZTNAは単なる製品ではなくゼロトラストの取り組みそのものであるため、それがより広範なゼロトラストアーキテクチャにどう組み込まれ、すり抜けたセッションに対するID脅威検知とどう連携するかも計画しておく必要があります。契約前には、実際のユーザーで2週間の価値実証(PoV)を実施しましょう。

ZTNAは、VPNのようにユーザーをネットワークに参加させる方式とは異なり、検証済みのIDとデバイスの状態に基づいて特定のアプリケーションへのアクセスのみを許可します。すべてのリクエストが検証され、アクセスは最小権限かつアプリケーション単位で許可され、基盤となるネットワークは外部から見えないままです。そのため、盗まれた認証情報を使って横方向に移動することはできません。

VPNはユーザーをネットワークに参加させ、その後は広範囲にわたって信頼します。そのためVPNアカウントが侵害されると、トンネルが許可する範囲すべてにアクセスされてしまいます。一方ZTNAは、許可された個々のアプリケーションへのアクセスのみを許可し、すべてのリクエストでIDとデバイスの健全性を検証し、ネットワーク自体を決して露出させません。これにより、認証情報が盗まれた場合の被害を劇的に縮小できます。

最も速く、最も安価にVPNを置き換えたいならTwingateがおすすめです。太っ腹な無料プランがあり、数分で導入できます。脅威防御機能を組み込んだ公開ユーザー単位の料金を求めるならCheck Point Harmony SASE(旧Perimeter 81)を検討してください。どちらも、小規模チームには不要なエンタープライズプラットフォームの複雑さを避けられます。

いいえ、ZTNAは構成要素の一つに過ぎません。SSEはクラウドセキュリティサービス(ZTNA、SWG、CASB、FWaaS)をまとめたもので、SASEはそこにSD-WANによるネットワーキングを加えたものです。現在、多くのエンタープライズはZTNAを単体で購入するのではなく、SSEやSASEプラットフォームの中で購入しています。これが、主要なZTNA製品のいくつかがより広範なスイートのモジュールとして提供されている理由です。

いいえ。ZTNAはユーザーのアプリケーションへのアクセスを管理するものであり、ファイアウォール(およびFWaaS)はトラフィックを検査・制御するものです。両者はゼロトラストアーキテクチャにおいて補完し合う異なるレイヤーです。ZTNAは誰がアプリケーションに到達できるかを決定し、ファイアウォールはネットワークを通過するものを検査します。2026年の多くのSASEプラットフォームは、この両方を併せて提供しています。

単体型ZTNAは、公開されたユーザー単位の料金を採用していることが多いです(Twingateは無料プランを提供しており、Harmony SASEはプラン料金を公開しています)。SSE/SASEプラットフォーム内のZTNAは通常ユーザー単位で見積もられ、フルバンドルの目安として定価ベースでユーザー1人あたり月額15〜25ドル程度で、エンタープライズ向けの割引が適用されます。まずは無料プランや公開プラン価格の選択肢から始め、統合によるメリットが正当化できる場合にプラットフォームへと拡張していくとよいでしょう。

閉じたい「扉」に合わせてツールを選びましょう。単にVPNをなくしたいだけの小規模チームにはTwingateとHarmony SASE、規模や検査の深さが必要なエンタープライズにはZscalerとPrisma Access、統合型でコスト重視のSASEを求めるならCatoとVersa、既にDuoを導入しているならCisco、データガバナンスを重視するならNetskopeが適しています。

ZTNAは、ほとんどの組織が今四半期中にも導入できる、ゼロトラストの中で最も分かりやすい成果です。自組織が本当に抱えている最初の課題から選び、IDだけでなくデバイスの状態も検証し、契約前に実際のユーザーで効果を実証しましょう。

翻訳元: https://cyberpress.org/ztna-solutions-by-business-size/

ソース: cyberpress.org