Cloudflare、AIエージェント向けに支出制御機能を備えたウォレットを提供開始

Cloudflareの「Wallets」は、同社のプラットフォーム上で動作するAIエージェントに、人間が読める形式のウォレットハンドルを付与するサービスです。これにより、作成者が設定した上限の範囲内で、APIやオンラインコンテンツへの支払いが可能になります。ハンドルの予約受付はすでに始まっており、サービス自体は今後数カ月以内に利用可能になる予定です。ウォレットにはAccount WalletsとVirtual Walletsの2種類が用意されます。

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Wallets(出典:Cloudflare)

Account Walletsは、Cloudflareを利用する個人や組織向けに設計されています。所有者は資金を追加したり、AIエージェント用にVirtual Walletsを作成・入金したり、必要に応じて資金を引き出したりできます。

Virtual WalletsはAIエージェント向けに構築されており、APIキーを通じて動作します。エージェントが使える資金は、Account Walletの所有者が定めた上限内に限られ、支出上限額、承認済みの取引先、取引ごとの制限額などを設定できます。これにより、AIエージェントは取引のたびに承認を求めることなくユーザーに代わって支払いを行いつつ、支出を確実にコントロール下に置けます。

「Cloudflare Walletsを使えば、ステーブルコインを保管したり、サービスを購入したり、ウェブ上で資金を受け取ったりできるようになります。ウォレットを持つアカウントは、そのAIエージェントのためにVirtual Walletsを作成し、APIやMCPツール、コンテンツなどを購入できるようにすることも可能です」と、Cloudflareのプロダクト担当ディレクターであるWill Papper氏は説明しています

ユーザーは自身のCloudflare Walletハンドルを共有することで、AIエージェントが加盟店とやり取りする際に一貫したデジタルアイデンティティを持たせることができます。

Cloudflare Walletsの活用方法

Cloudflareは今月初め、x402プロトコルを通じてウェブサイトやアプリがAIサービス、データ、コンテンツに対して少額の料金を課金できる「Monetization Gateway」を発表しました。x402の支払いを送受信するには対応するデジタルウォレットが必要であり、Cloudflare Walletsはこのプラットフォームのネイティブな選択肢として設計されています。

Virtual Walletsを使えば、AIエージェントはアカウントを作成したり取引ごとに手動承認を得たりすることなく、低コストなx402マイクロペイメントを利用して複数のAPIやオンラインサービスを試すことができます。例えば、予算10ドルを持つAIエージェントであれば、予期しない課金のリスクを負うことなく、複数の低コストAPIを安全に評価できます。

管理者はAccount Walletを通じて支出ポリシーを管理でき、例えば各従業員のAIエージェントにAIサービス用の週間予算を割り当てることもできます。支出上限に達したエージェントは、追加の資金を承認申請することが可能です。

同社は今後、不審な支出があった場合に管理者へ通知する制御機能を追加し、追加資金の承認や不審な活動の停止を行えるようにする計画です。当初、ユーザーは対応する支払い方法、あるいは利用可能な場合はステーブルコインを使ってウォレットに入金できるようになります。

AIエージェントの本人確認を担うCloudflare Pay

Cloudflareは、ウォレットをcloudflare.payを通じてCloudflareアカウントに紐付けることで、AIエージェントの本人確認をより容易にすることを目指しています。これにより、AIエージェントはウェブサイトやオンラインサービスとやり取りする際に信頼できる形で自身を証明できるようになり、企業側もそのエージェントが特定の個人や組織を代理して行動していることを確認しやすくなります。

AIエージェントは、固有のcloudflare.payアドレスを使って自身を識別できます。例えば、リサーチ用エージェントであればresearch.example.cloudflare.payのようなアドレスを使うことで、ウェブサイト側がそのエージェントの所属組織を認識できるようになります。このアイデンティティの共有は任意であり、企業は本人確認済みのAIエージェントを優遇するかどうかを自ら判断できます。

人間が読めるAIエージェントのアイデンティティ

CloudflareはTurnstileとBot Managementを活用し、CAPTCHAに頼ることなく、ウェブサイトが正規のユーザーとボットを見分けられるよう支援しています。

AIエージェントのアイデンティティ標準は絶えず変化しているため、同社は、DNSがドメイン名をIPアドレスに対応付けるのと同様の仕組みで、人間が読める識別子を暗号鍵ペアに対応付ける方式を提案しています。cloudflare.payは、将来の業界標準との互換性を保ちながら、シンプルで人間にも分かりやすいアイデンティティ層となることを目指しています。

「私たちは特定のスキーマや別の検証システムを定義しようとしているわけではありません。ただ、アイデンティティを覚えやすく、宣言しやすいものにしたいだけです」とPapper氏は述べています。

このサービスは、x402 Foundationを通じて新たなAIエージェントのアイデンティティ標準が登場するのに合わせて対応していく方針であり、業界全体でのより広範な採用を促すことを目指しています。

翻訳元: https://www.helpnetsecurity.com/2026/08/05/cloudflare-wallets-for-ai-agents/

ソース: helpnetsecurity.com