AI対応のサイバー脅威から重要なオープンソースソフトウェアを守るために設立された業界連合が、脆弱性の開示と修復を行うプラットフォームを9月に本格稼働させる見通しであることが、Infosecurityの取材で分かりました。
Akritesと呼ばれるこの取り組みは、Linux Foundation、Open Source Security Foundation(OpenSSF)、そして20社を超える設立メンバーによって2026年6月末に発足しました。
設立メンバーには、AIフロンティア企業のAnthropicとOpenAI、Amazon Web Services、Cisco、Google、Microsoftおよびその傘下のGitHub、IBMおよびその傘下のRed Hat、NVIDIAといったクラウド・テック大手、Chainguard、Endor Labs、Zscalerなどのサイバーセキュリティ企業、さらにCiti、JPMorganChase、Ericsson、Vodafoneといった大企業が名を連ねています。
連合に参加する各企業は、1名から10名のエンジニアをプロジェクトに拠出する義務を負うほか、Associate、General、Premierという3つの会員ランクのいずれかを選び、それぞれに応じた会員費を支払う仕組みになっています。会員ランクごとに得られる特典のレベルも異なります。
発足時、Linux Foundationはこの取り組みにおける2つの主要ミッションを発表しています。
- オープンソースのパッケージやライブラリに存在する脆弱性の緩和・修復を担う、共同のセキュリティインシデント対応チーム(SIRT)の設立
- 機密性を最優先する原則と業界標準ツールに基づいた、協調的な脆弱性開示(CVD)プロセスの標準化
Infosecurityは、OpenSSFの最高技術責任者(CTO)兼チーフセキュリティアーキテクトであり、6月にAkritesのCTOにも就任したChristopher・‘CRob’・Robinson氏に話を聞きました。
同氏はAkritesの唯一の使命について、「AIによって検出された脆弱性報告を、上流のオープンソースメンテナーへと橋渡しし、その修正がエコシステム全体で利用可能になるよう調整すること」だと説明しています。
同氏によると、脆弱性管理・SIRTプラットフォームを含む、この取り組みのツール群を担当するチームは、すでに「ツールチェーンの最初の草案」を完成させているとのことです。
さらに同氏は、この取り組みの中核プラットフォームが、カーネギーメロン大学が開発したVulnerability Information and Coordination Environment(VINCE)をベースにすると明らかにしました。VINCEは、同大学ソフトウェア工学研究所(SEI)傘下のComputer Emergency and Response Team Coordination Center(CERT/CC)が2020年に開発した脆弱性管理プラットフォームです。
Akrites CTOは、「大規模言語モデル(LLM)を活用して重複排除やパッチ作成などを行う、かなりの量の追加機能を備えています」と付け加えました。同氏はまた、プロジェクト発足から2カ月が経過した時点ですでに数千件の脆弱性報告が寄せられており、そのうち推定30%が重複であることも明かしています。
「本日、Akritesの会員企業から追加の専門家を招き入れ、ペネトレーションテストとセキュリティ監査を実施してもらう予定です。その後、実データと合成データを組み合わせてシステムに入力できるようツールを拡張し、設計通りに機能することを確認していきます」とRobinson氏は説明しました。
完成したプラットフォームは、準備が整い次第オープンソース化され、誰もが自らの目的のために利用できるようになる予定です。
さらにRobinson氏は、Akritesが運用するプラットフォームが9月中に「稼働開始」し、「自動化された脆弱性報告の受け付けを開始する」見込みだと述べています。
「私はキャリアを通じて、Akritesのような取り組みをずっと実現したいと考えてきました」と同氏は語ります。「今こそ、必要なツールと意欲、そして専門家へのアクセスが揃っていると感じています。ですから、世界のオープンソースエコシステムに対して非常に価値あるサービスを提供できるようになると、私は大いに楽観視しています」
Akrites、そしてオープンソースプロジェクトにおけるAI対応の脆弱性報告の急増に対処する同様の取り組みについて、続報にご期待ください。
画像提供:Linux Foundation / IB Photography / Shutterstock.com
翻訳元: https://www.infosecurity-magazine.com/news/linux-foundations-akrites-go-live/