OpenAIは、2026年9月までに「自動化された研究インターン」を実現するという昨秋設定した目標を達成したと発表しました。この節目は、熟練の研究者でも数日かかるような作業を含め、人間の指示のもとで明確に定義された研究タスクをシステムが遂行できるようになったことを意味します。同社はさらに、2028年3月までに完全自動化されたAI研究者を実現することも目指しています。

年初以降、あらゆるカテゴリーの研究活動が増加しています(出典: OpenAI)
「具体的なリスクやインシデント、対策についての透明性は必要ですが、それだけでは十分ではありません。私たちは、最先端の研究所の内部で、最も高性能なシステムがどのように発展し、どのように研究の進展を後押ししているのかについても、社会が理解する必要があると考えています」とOpenAIは述べています。
OpenAI、AI研究の自動化を推進
研究者たちはコーディングエージェントを使ってコードを書き、実験を実行し、より複雑なタスクをこなしており、複数のエージェントを同時に稼働させることも珍しくありません。同社によれば、これによって研究のスピードが上がる一方で、優先順位の設定や結果の評価、システムの開発・展開の可否判断は引き続き人間が担っているといいます。
同社は、研究の自動化を、より高性能で低コストなAIの開発とともに、AIの安全性・セキュリティを支えるツールを生み出す手段と位置づけています。その取り組みには、AIがさらに高性能なAIシステムの開発を助け、そのシステムがさらなる進歩に貢献するという「再帰的自己改善(RSI)」に向けた前進も含まれます。
OpenAIは、完全なRSIを安全に実現する方法はまだ分かっておらず、開発は人間による制御を維持できるかどうかにかかっていると述べています。OpenAIが「Hugging Face事件」と呼ぶ最近の出来事を受け、同社はセキュリティ、テスト、監視体制を強化する間、一部の強化学習作業を一時停止していました。
OpenAIはRSIに向けた進捗の初期データを公開しており、AI企業にこうした進捗を一般に開示するよう義務付けるべきだと呼びかけています。
OpenAIの研究者、AIエージェントの利用を拡大
コーディングエージェントを利用する研究者の中央値における1日あたりの推論利用量は、8月中旬までにAPI価格換算でわずかな水準から600ドル超へと増加しました。上位10%(90パーセンタイル)の研究者は、現在API価格換算で1日7,000ドルを超えるトークンを利用しています。
研究組織全体では、人間の8時間労働に対してエージェントによる3.1「エージェント作業日」分の作業量が記録されています。2026年6月時点では、エージェントによる作業量は人間の総労働量をまだ下回っていました。4つ以上のエージェントを同時に動かす、高度に並行的なワークフローを利用する研究者の数は増加を続けています。
コードの記述と実験の実行は、研究における2つの主要な活動です。AI研究には、モデルの性能向上を目指した一連の工程が伴います。研究者はアイデアを考案し、結果を測定するためのテストを作成し、大規模に実験を実行するためのシステムを構築し、バグや安全性の問題を特定し、うまくいった変更をモデルの訓練に組み込みます。どの段階で問題が生じても、プロセス全体の遅れにつながりかねません。
自動化が難しいタスクは、研究者の作業量に占める割合が大きくなるにつれ、進歩の制約要因となる可能性があります。計算資源(コンピュート)も潜在的な制約要因の一つであり、他のボトルネックが解消されるにつれて、その重要性が増す可能性があります。
実験を行う研究者一人当たりの実験数は、追跡を開始した2025年1月以降増加を続けており、8月には過去最高を記録しました。OpenAIによれば、この増加はCodexの採用拡大と計算資源の利用可能性の向上と時期が重なっているといいます。
AIエージェント、より複雑な研究タスクを担うように
OpenAIは、Epoch AIが開発したフレームワークを用いて、コーディングエージェントの活動を、研究の方向性の選定、アプローチの設計、コードとデータセットの構築、実験の実行、結果の分析、成果の伝達という、AI研究開発における6つの段階に分類しました。
データからは、研究者がコーディングエージェントに、より複雑で長時間にわたるタスクを任せるようになっていることが分かります。エージェントの利用は、2026年1月から8月にかけてAI研究のあらゆる段階で拡大し、実装や実験、関連する技術作業への貢献が増えています。一方で、高レベルな計画立案への関与は依然としてまれです。
エージェントは、これまで社内サポートチームが担っていたトラブルシューティングの一部も引き受けるようになっており、人間が対応するサポートチャネルの利用減少に寄与しています。1月から7月にかけて、複数のタスク難易度カテゴリーで測定された成功率は概ね上昇しました。それでも、難しいタスクではエージェントに依然として頻繁な人間の介入が必要でした。人間が4時間から8時間かかると見込まれるタスクのうち、成功したものの半数以上で、少なくとも1回の人間による介入が必要でした。
安全性への懸念がモデル開発に影響
安全性・セキュリティへの懸念から、OpenAIはこの夏、一部の強化学習訓練を一時的に停止し、先進モデルに追加の制限を課しました。
7月20日、OpenAIはAIエージェントが同社の研究インフラを侵害していたことを発見し、訓練に使用していたコンテナサービスを停止しました。一部の訓練作業はその後、セキュリティを強化したうえで再開されました。展開を予定していた最新モデルに対する強化学習訓練は、2週間にわたって停止されたままとなりました。
8月にはさらなる制限が課されました。Astraモデルが高度なサイバー攻撃能力を持ち得ることを示すテスト結果を受けたものです。翌週、Astraクラスのモデルに割り当てられるGPUは約59%減少した一方、他のモデルクラスへの割り当ては約17%増加し、減少分の大半を相殺しました。
あるモデルに対する制限は、AI開発全体のペースを鈍化させるというより、計算資源を他の研究に振り向ける結果につながる可能性があります。
「整合性を保ったRSIに向けた進捗を生み出し、それを理解することは、私たちの使命にとって重要です。私たちは今後も手法を洗練させ、理解の深まりについて報告を続け、十分な情報に基づく公の議論と、最先端システムに対する意味のある民主的なガバナンスの実現に向けて取り組んでいきます」と同社は結んでいます。
翻訳元: https://www.helpnetsecurity.com/2026/09/07/openai-research-automation-intern/