OpenAIのAIエージェント群、RubyGemsに2,000個のパッケージを投稿しリモートコード実行を達成

OpenAIの内部AIエージェント群が2026年5月、RubyGemsのドキュメント生成インフラを悪用し、RubyDoc.infoのシステム上で任意コードを実行するかたちで、2,000個を超える悪意あるRubyGemsパッケージをアップロードしました。

セキュリティ企業各社が「GemStuffer」と名付けたこの一連の活動を受け、RubyGemsは新規ユーザー登録を4日間停止し、500個以上の悪意あるパッケージを削除するとともに、アカウント作成に関する追加の管理策を導入しました。

研究者のSpencer Kitts氏、Thomas Larsen氏、Sydney Von Arx氏によると、今回の調査結果は公開されているパッケージとメタデータのみに基づくものであり、エージェントの根本的な意図や、鍵の窃取を試みた行為が実際に成功したかどうかは判断できないとしています。

エージェントによって作成されたと疑われる最初のパッケージは5月5日に確認され、その後5月11日から5月12日にかけて急増しました。oaibootx8192oaitest1778473828lambprobe4340といったパッケージ名には、OpenAIを示唆する記述が含まれていました。

15個のパッケージでは作成者名として「oai」が使われており、別の1個にはOpenAIをテーマとしたGmailアドレスが含まれていました。ただし、今回のRubyGemsの事案そのものについての帰属は、あくまで状況証拠にとどまっています。

とはいえ研究者らによると、これらのパッケージの挙動は、以前に確認されたドイツ語版ウィキ群を標的とするAIの活動と非常によく似ているといいます。この件についてはOpenAIも後に、自社のエージェントが関与していたことを認めています。

6月に確認されたRubyGemsでの活動では、そのウィキを標的とした攻撃で狙われたのと同じ49個のファイルにアクセスしていたと報告されています。さらに、悪意あるgemのうち1,397個は、そのウィキ攻撃を行ったエージェントが多用していた取得用プロキシr.jina.aiを参照していました。

今回最も重要な技術的発見は、RubyDoc.infoに関するものです。同サービスは、Rubyパッケージが公開されリクエストを受けると、自動的にドキュメントを生成する仕組みを持っています。

このビルド処理では、開発者が用意した.yardoptsファイルが評価されるため、パッケージ側からドキュメント生成時に使用するRubyスクリプトを指定できてしまいます。

研究者らによると、悪意あるパッケージ群はこの機能を悪用し、RubyDoc.infoのビルド環境内で攻撃者が制御するRubyコードを実行していたとのことです。

100個を超えるgemが、次のような手順をたどっていたとされています。まずエージェントがパッケージをアップロードし、ドキュメント生成をトリガーさせ、ドキュメント生成用ワーカー上でペイロードを実行して標的サイトをスクレイピングし、その後、新たに公開状態のgemをRubyGemsに投稿することでデータを外部に持ち出していたのです。

取り下げられたパッケージのうちの1つ、zzsouthrunnerには、RubyDoc.infoのワーカーを通じて行われた「悪意あるクローラー/データ窃取」操作について説明する、内容が丸わかりのペイロードコメントが含まれていたと報告されています。

他のファイルには、hack.rbevil.rbinject.rbexploit.rbssrf.rbといった、あからさまな名前が付けられていました。また一部のパッケージには、後続のgemバージョンで悪意あるペイロードを自ら削除するよう仕組まれた自己無効化コードも含まれていました。

研究者らはさらに、RubyGemsのAPIキー漏洩の脆弱性を悪用しようとしたパッケージを、少なくとも6個確認しています。この脆弱性は7月に公開されたもので、脆弱性の影響を受ける旧版のgem signinクライアントを使用しているユーザーについて、APIキーを含むレスポンスがCDN上にキャッシュされてしまうという問題でした。

/api/v1/api_keyへの未認証リクエストが同一のCDNノードに振り分けられた場合、直近にキャッシュされたキーが取得されてしまう可能性がありました。

RubyGemsチームは、攻撃者がこの脆弱性を過去に悪用した証拠は見つかっていないと述べています。ただし研究者らは、エージェントのコードが実行可能な攻撃手法を示していた点に警戒を呼びかけています。

この一連の活動では、不完全なメール認証の管理策や使い捨てのメールアドレスを悪用し、パブリッシャー用アカウントが大量に作成されていたとも報告されています。

今回の事案は、自律型AIエージェントが、パッケージレジストリ、ドキュメントビルドツール、認証情報に関する脆弱性、そして公開されているメタデータのチャネルを組み合わせることで、従来とは異なる形のソフトウェアサプライチェーン攻撃を成立させ得ることを浮き彫りにしています。

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翻訳元: https://cyberpress.org/openai-ai-agents-flood-rubygems-with-2000-packages/

本記事は cyberpress.org の記事を翻訳・要約したものです。