【2026年版】CNAPPプラットフォーム12選を徹底比較:機能と価格

結論を先に:CNAPPの見積もりは、同じ規模のインフラであっても「ワークロード」の定義が製品ごとに異なるため、2~3倍もの開きが生じます。

Microsoft Defender for Cloudは、大手ベンダーの中で唯一、リソース単位の料金をすべて公開しています。一方WizOrcaはワークロード単位で見積もりを提示し、Prisma Cloudはクレジット制を採用しています。またUpwindUptycsといった挑戦者たちは、ランタイム重視のモデルで価格面から攻勢をかけています。

本ガイドでは、これら12製品の料金の仕組みを実際のところどうなっているのかという観点から比較します。

どのCNAPPのデモでも同じような攻撃経路グラフが示される一方、請求書の内容はベンダーごとにまったく異なります。クラウドの設定ミスや露出したストレージ資産が重大インシデントへとエスカレートするのを防ぐことは技術的な目標ですが、クラウドセキュリティプラットフォームの選定を左右しているのは、今や機能そのものではなく調達戦略です。

本記事は購入者側の視点に立ち、価格の仕組み・交渉の足がかり・単なる機能一覧ではない「ドルあたりの実力」という観点から、CNAPPベンダー12社を比較します。

本記事は独立した立場で執筆しており、ベンダーからの提供や協力は一切受けていません。契約前には、必ずご自身の資産構成に照らして各モデルを検証してください。価格については構造のみを記載しているため、最新の具体的な数値は直接ご確認ください。

目次

1. ステージ1 ― 価格モデルを読み解く

2. ステージ2 ― 12社のベンダー:機能と価格の仕組み

3. ステージ3 ― 調達比較

4. ステージ4 ― 交渉のプレイブック

5. ステージ5 ― コストに関するFAQ

ステージ1 ― 価格モデルを読み解く

ワークロード単位(Wiz、Orca、Sysdig、Aqua):VM・コンテナノード・サーバーレス関数がそれぞれ1単位としてカウントされます。争点になるのはその定義と、開発・ステージング環境向け割引の有無です。

クレジット制(Prisma Cloud):モジュールごとに異なる消費率でクレジットが減っていく仕組みです。柔軟な反面、更新時の料金計算が不透明になりがちです。

公開リソース単位(Defender for Cloud):サーバー・データベース・ストレージアカウントごとの料金が透明性の高いリスト形式で公開されており、見積もりの基準として使えます。

プラットフォームモジュール型(CrowdStrike、Tenable、Zscaler):既存のサブスクリプションにCNAPPが乗る形で、追加導入コストは低い一方、乗り換えのハードルは高くなります。デモを見る前に、各ベンダーがどの土俵で戦っているのかを把握しておくことが重要です。

ステージ2 ― 12社のベンダー:機能と価格の仕組み

1. Palo Alto(Prisma Cloud)

Image

得られるもの:このカテゴリで最も幅広いモジュール群を備えています。CSPM、CWPP(エージェント型・エージェントレス型両対応)、CIEM、IaC/コードセキュリティ、Web/API保護まで揃い、エンタープライズ向けクラウドセキュリティソリューションを標準化したい複数フレームワーク対応の企業にとって、コンプライアンスライブラリの深さは業界随一です。

比較セキュリティシステム

価格体系:クレジット制です。各モジュールが保護対象1単位ごとにクレジットを消費し、クレジットはブロック単位で購入します。

調達時の注意点:クレジットの消費量はモジュールの組み合わせによって変動するため、実際の利用状況をもとにモデル化する必要があります。未使用クレジットの失効条項や更新時の精算条項については、法務によるチェックが不可欠です。

導入が向いているケース:すべてを一つのエンタープライズプラットフォームに集約したい場合です。

交渉すべき点:更新時のクレジット→金額換算レートが不透明な点です。

2. CrowdStrike(Falcon Cloud Security)

Image

得られるもの:強力なランタイム保護、エージェントレスのポスチャ管理、そしてすでにSOCで使われているかもしれないFalconコンソールに統合されたID情報が特長です。基盤にはCrowdStrike Falconセンサーの防御・検知機能があります。

価格体系:Falconサブスクリプションへのモジュール追加で、ワークロード/センサー単位の課金です。

調達時の注意点:EDRの更新契約とバンドルすることで実質的な交渉力が生まれます。クラウド契約の交渉はエンドポイント契約の更新時期に合わせましょう。

導入が向いているケース:すでにFalconをコンソールとして使っている場合です。

交渉すべき点:モジュールの積み重ねです。実際に有効化するモジュール一式で価格を確認しましょう。

3. Wiz

Image

得られるもの:業界の基準とも言える相関分析力です。Wiz Security Graphによる攻撃経路分析、危険な組み合わせの優先順位付け、ネイティブなDSPMおよびCDR(Gem Security)機能に加え、迅速なエージェントレス導入が可能です。

価格体系:ワークロード単位、見積もりベースで、モジュールの組み合わせによって階層化されています。

調達時の注意点:ワークロードの定義(サーバーレス、ノードあたりのコンテナ数など)によって見積もりが大きく変動します。Google買収という背景は、複数年契約の価格保護を求める正当な交渉材料になります。

導入が向いているケース:「ドルあたりのシグナル量」を最重視する場合です。

交渉すべき点:プレミアム価格の根拠です。競合他社の見積もりを提示すればWiz側の価格も動きます。

4. Uptycs

Image

得られるもの:osquery系譜のテレメトリ統合により、ノートPC・サーバー・コンテナ・クラウド環境を単一のデータモデルで横断的に可視化します。この点はエンタープライズ向けEDRソリューションと検知プラットフォームの比較でも評価されています。

データ復旧サービス

価格体系:アセット単位で、大手3社の見積もりより低い価格帯が一般的です。

調達時の注意点:統合による効率化がセールスポイントです。エンドポイント製品とクラウド製品を別々に導入した場合の合計コストと比較して価格を判断しましょう。

導入が向いているケース:Linux中心のエンジニアリング組織が単一のデータレイクを求める場合です。

交渉すべき点:調査の深度を制限するデータ保持期間の階層設定です。

5. Aqua Security

Image

得られるもの:コンテナライフサイクル全体にわたる深い保護機能です。ランタイムのドリフト防止、Kubernetesアドミッション制御、コンテナイメージ監査などを、Aqua SecurityのTrivyスキャナーで発生したサプライチェーン攻撃の教訓を踏まえて提供しています。

価格体系:ワークロード/ノード単位で、オープンソースのTrivyが無料の下限ラインとなっています。

調達時の注意点:Trivyの無料枠を基準点とし、スキャン自体ではなく、強制実施やスケールの部分にお金を払う意識を持ちましょう。

導入が向いているケース:コンテナが事業の中心にある場合です。

交渉すべき点:VM中心のインフラにプラットフォーム料金を払わされていないかという点です。

6. Zscaler(Posture Control)

Image

得られるもの:Zero Trust Exchangeに直接統合されたCNAPP機能です。ポスチャ管理、IaCスキャン、CIEM分析を組み合わせ、Zscaler Cloud Access Security Broker(CASB)経由でトラフィックをルーティングしている組織に適しています。

比較セキュリティシステム

価格体系:SSEバンドルへの追加という形で、ユーザー/ワークロードの組み合わせによる課金です。

調達時の注意点:ZIA/ZPAの更新契約時にバンドル導入すれば経済性は高くなりますが、単体で見た場合、価格・機能ともに他社に見劣りすることが多いです。

導入が向いているケース:Zscaler製品への集約が戦略として決まっている場合です。

交渉すべき点:CASBとポスチャ管理の機能が重複している部分を二重に支払っていないかという点です。

7. Microsoft Defender for Cloud

Image

得られるもの:無料の基本的CSPMに加え、サーバー・コンテナ・データベース・ストレージ向けのリソース単位有料プランを提供します。Defender CSPMの攻撃経路分析はトップクラスのクラウドセキュリティプロバイダーの中でも評価が高く、ネイティブなAzure対応とAzure Arc経由のマルチクラウド拡張性を備えています。

価格体系:公開されたリソース単位の月額料金――大手の中で唯一、完全な透明性を持っています。

調達時の注意点:Microsoftの公開リスト価格を、本記事に登場する他社すべての見積もりの交渉基準として活用してください。

導入が向いているケース:少しでもAzureへの依存がある場合です。

交渉すべき点:プランの乱立です。実際に有効化されているリソースプランを監査しましょう。

8. Upwind

Image

得られるもの:ランタイム重視の挑戦者型CNAPPです。eBPFセンサーを展開し、実際に稼働中・メモリにロード済み・外部に露出しているものに基づいてリスクの優先順位付けを行います。この特長はランタイムおよびAIセキュリティプラットフォームのトップ分析でも取り上げられています。

価格体系:ワークロード単位で、既存大手に対して積極的な価格設定をしています。

調達時の注意点:実際に導入しなくても、挑戦者価格の存在自体がWizやOrcaの見積もりに対する交渉材料になります。

導入が向いているケース:プラットフォームの幅広さよりもランタイムシグナルを重視する場合です。

交渉すべき点:まだ実績の浅いベンダーとの複数年契約によるロックインです。

9. Orca Security

Image

得られるもの:エージェントレスSideScanningのパイオニアとして、数日単位でインフラ全体の可視化を実現します。Azure Synapseやクラウドアーキテクチャにおける脆弱性を発見してきた研究実績に裏打ちされ、エージェントなしでコンテキスト化されたリスクグラフを提示します。

価格体系:ワークロード単位、見積もりベースです。

調達時の注意点:導入速度の速さでPOC期間を短縮できます。OrcaとWizを直接比較させ、見積もりを競わせましょう。

導入が向いているケース:エージェント完全不要の運用が必須条件である場合です。

交渉すべき点:同等のモジュール幅を持たないままWizと同水準のプレミアム価格を要求されていないかという点です。

10. Check Point(CloudGuard)

Image

得られるもの:Dome9譲りのポスチャ管理機能、CIEM、そしてCheck Pointのネットワークスタックとの予防重視の統合です。認証情報の悪用やネットワークセキュリティゲートウェイに対する脅威への防御を担います。

価格体系:アセット単位で、Infinityエンタープライズ契約にバンドルされることが多いです。

調達時の注意点:Infinity ELAへのバンドルにより、CloudGuardの追加コストはほぼ誤差程度に抑えられることがあります。とはいえ、単品での価格も確認しておきましょう。

導入が向いているケース:すでにCheck Pointがネットワークの境界防御を担っている場合です。

交渉すべき点:ELAの不透明さによって製品ごとのコストが見えにくくなっている点です。

11. Sysdig

Image

得られるもの:Falcoベースの深いランタイム分析と、実稼働中の脆弱性を優先する仕組みです。Sysdig脅威リサーチチームが実際のクラウド侵害を監視することで、CVEの山を実際にメモリ上で稼働しているコンポーネントだけに絞り込みます。

価格体系:ワークロード単位・階層制で、Falco自体は無料のオープンソースです。

調達時の注意点:稼働中コンポーネントへの絞り込みによって削減できるトリアージ時間を数値化しましょう。このカテゴリの中でも最も説得力のあるROIの根拠になります。

導入が向いているケース:Kubernetesのランタイムにおける実態把握を優先する場合です。

交渉すべき点:クラスタのスケールに伴うエージェント数の増加です。

12. Tenable(Cloud Security)

Image

得られるもの:Ermetic譲りのCIEMと詳細なジャストインタイムアクセス機能を、エージェントレスのポスチャ管理と組み合わせ、より広範なTenable One露出管理プラットフォームに直接統合しています。

価格体系:リソース単位で、Tenable Oneのエンタープライズ価格に組み込まれることが多いです。

調達時の注意点:既存のTenable VMユーザーは、単体のクラウド価格ではなく、プラットフォームバンドル料金を要求すべきです。

導入が向いているケース:ID/権限リスクが最優先課題であり、すでにTenableを導入済みの場合です。

交渉すべき点:すでにライセンス契約しているスキャン機能に二重で支払っていないかという点です。

ステージ3 ― 調達比較

ベンダー 価格体系 料金公開の有無 無料の下限枠 バンドル交渉力 乗り換えの難易度
Prisma Cloud クレジット制 一部ガイドあり トライアル Palo Alto ELA 高い(クレジット)
CrowdStrike Falconモジュール なし トライアル EDR更新契約 高い(コンソール)
Wiz ワークロード単位 なし トライアル 競合見積もり 中程度
Uptycs アセット単位 なし トライアル 統合効果 中程度
Aqua ワークロード単位 なし Trivy OSS OSS基準 中程度
Zscaler SSE追加 なし トライアル SSE更新契約 高い(SSE)
Defender for Cloud リソース単位 あり ― 全リスト公開 無料プランあり EA/E5 低~中程度
Upwind ワークロード単位 なし トライアル 挑戦者価格 低い
Orca ワークロード単位 なし トライアル Wizとの直接比較 中程度
CloudGuard アセット単位 なし トライアル Infinity ELA 中程度
Sysdig ワークロード単位 一部あり Falco OSS トリアージのROI 中程度
Tenable リソース単位 一部あり トライアル Tenable Oneバンドル 中程度

ステージ4 ― 交渉のプレイブック

公開価格を基準にする。Defender for Cloudのリソース単位公開リストは唯一の普遍的なベンチマークです。すべての見積もりの場にこれを持ち込み、差額の根拠をベンダーに説明させましょう。

ワークロードの定義を統一する。各ベンダーに課金単位の定義(vCPU単位か、ノード単位か、関数単位か)を書面で明示させ、自社の同一インフラを全候補で再見積もりしましょう。

無料の下限枠を武器にする。Trivy、Falco、Prowler、そしてDefenderの無料プランは実用的な機能をカバーしています。それらを超える相関分析・強制実施・スケールの部分にのみ対価を払いましょう。

バンドルのタイミングを見極める。CrowdStrike、Zscaler、Palo Alto、Tenableは、既存契約の更新時期に最も大きな値引きをします。

セキュリティを開発フローに組み込む:ポスチャガバナンスをDevSecOpsプラットフォームや安全なSDLCワークフローに直接橋渡しできるプラットフォームを選び、パイプラインのボトルネックを解消しましょう。

挑戦者を活用する。UpwindやUptycsクラスの見積もりは、たとえ採用に至らなくても既存大手の価格を動かします。

更新契約を守る。値上げ率に上限を設け、クレジット換算レート(Prisma)を固定し、Wizについては買収を条件とした価格保護を求めましょう。CNAPPの最終候補間における機能差は、契約差よりも小さいのが通例です。この点を踏まえて交渉に臨んでください。

ステージ5 ― コストに関するFAQ

CNAPPの実際のコストはどのくらいか?

重要なのは価格表示ではなく体系そのものです。ワークロード単位の見積もり(Wiz、Orca、Sysdig、Aqua)、クレジット制(Prisma)、公開されたリソース単位料金(Microsoft ―今すぐ確認できる唯一の存在)、そしてプラットフォームへの追加課金(CrowdStrike、Zscaler、Tenable)があります。同一規模のインフラであっても、最終候補間で2~3倍の価格差が生じるのが一般的です。

価格が透明なCNAPPはどれか?

Microsoft Defender for Cloudはリソース単位の料金をすべて公開しています。SysdigとPrismaは一部のガイドを公開しています。それ以外は見積もりベースです。だからこそ、Microsoftのリストを交渉資料フォルダに入れておく価値があるのです。

最も安く信頼できるCNAPPの導入経路は?

まずは無料の下限枠から始めましょう。Defenderの基本プラン、ポスチャ管理向けのProwler、スキャン用のTrivy、ランタイム用のFalcoです。そのうえで、実際の相関分析ニーズに見合った単一の有料プラットフォームを導入します。挑戦者(UpwindやUptycs)は業界大手より積極的な価格設定をしています。

ワークロード単位の見積もりがこれほど大きく変動するのはなぜか?

定義の違いによるものです。あるベンダーはKubernetesノード単位でカウントし、別のベンダーはコンテナごとにカウントします。サーバーレス関数は部分単位でカウントされる場合も、フル単位でカウントされる場合もあります。また開発・ステージング環境は割引価格になる場合も通常料金の場合もあります。定義を書面で取得し、同一条件で再見積もりしましょう。

プラットフォーム追加型(CrowdStrike、Zscaler)はコスト削減になるか?

導入時点では、バンドルによる交渉力は本物であり、通常はコスト削減になります。しかし時間の経過とともに乗り換えコストは上昇し、CNAPPの更新契約がプラットフォーム本体の更新契約に人質を取られる形になります。初回の請求書だけでなく、3年間の総コストで判断しましょう。

Wizはプレミアム価格に見合うか?

相関分析力と導入スピードは確かに他社と一線を画していますが、見積もりは競争圧力によって変動しますし、Google買収という背景を踏まえれば複数年の価格保護を要求する根拠にもなります。Orcaと直接比較したうえで、実績に基づいて判断してください。

結論

CNAPPの機能面での差は、価格面での差よりも急速に縮まっています。Defender for Cloudは透明性の高い基準を打ち立て、WizOrcaはエージェントレスの相関分析力で競り合い、PrismaCrowdStrikeはプラットフォームの引力を収益化し、SysdigAquaはOSSという土台の上に立ち、UpwindUptycsZscalerCloudGuardTenableはそれぞれ挑戦者・統合・既存優位という異なる角度から攻めています。

自社のワークロード数を統一基準で数え、すべての提案を公開料金と照らし合わせて評価し、NISTのゼロトラストアーキテクチャ戦略に沿った継続的なアクセス検証を実施してください。成功の指標は、検出項目の多さを誇るダッシュボードではなく、実際に排除できた攻撃経路の数で測るべきです。

公開リストを手元に置き、ワークロードの定義を統一し、無料枠を活用し、バンドルのタイミングを見極める――選ぶベンダーそのものより、結ぶ契約の内容のほうが重要なのです。

GBHackersの関連記事:

• CSPMツール比較:機能と価格

• CWPPソリューション比較:機能と価格

CIEMツール比較:機能と価格

• コンテナセキュリティツール比較:機能と価格

• Kubernetesセキュリティツール比較:機能と価格

• CDRソリューション比較:機能と価格

• DSPMツール比較:機能と価格

• AWSセキュリティツール比較:機能と価格

• マルチクラウドセキュリティ比較:機能と価格

• おすすめのサイバーセキュリティ企業

• おすすめのゼロトラストソリューション

翻訳元: https://gbhackers.com/best-cnapp-compared/

本記事は gbhackers.com の記事を翻訳・要約したものです。