それでもまだSNSに子どもの写真を投稿することに抵抗がないという方は、2人の子を持つ母親ケイリー・ロビンスさんの体験談に少し耳を傾けてみてください。9月初め、彼女は何十万人もの親たちが毎日行っているのと同じことをしました。幼い娘の動画をFacebookに投稿したのです。
ロビンスさんと娘が車の中で歌う動画の下に、FacebookのメタAIシステムは「この子どもの同乗者は誰ですか?」という質問候補を表示しました。
未成年者についてFacebookがこのような質問をすることに衝撃を受けたロビンスさんは、好奇心からそのリンクをクリックしました。すると、自動化されたストーカーのような挙動が次々と始まったのです。
Instagramの投稿で、怒りを露わにしたロビンスさんは何が起きたかをこう説明しています。
「子ども一人ひとりについて、まったく別々の情報を引っ張り出し始めたんです」
そこには子どもたちの名前、誕生日、動画までもが含まれていました。
さらにこのサービスは、ロビンスさんの母親が何年も前にFacebookに投稿していた新生児時代の娘の写真や、ロビンスさん自身のアカウントに一時あったものの、とうの昔に削除していたはずの写真まで表示したといいます。
事態はさらに奇妙な方向に進みます。サイトは今度は「ケイリー・ロビンスはどこに住んでいますか?」という質問を提示してきたのです。
怒りを増幅させたロビンスさんは、その質問もクリックしました。その結果について、彼女はこう述べています。
「[Facebookは]私の人生の何年分もの、まったく関係のないクソみたいな情報を掘り返し始めました」
Facebookは、過去に彼女が住んでいた場所をほのめかす古い投稿や、現在の自宅とつながる比較的新しい投稿を掘り起こし、最終的には彼女の居場所を特定しようと試みました。
ロビンスさんは次のように訴えています。
「私は、Facebookに家族のプロフィールを作ってほしいなんて頼んでいません」
Facebookが過去の投稿の断片的な個人情報をつなぎ合わせ、詳細なプロフィールとして他のユーザー向けにパッケージ化していたことに、彼女は衝撃を受けたと語っています。
ケイリー・ロビンスさんのInstagram動画はこちらでご覧いただけます。
メタ社の対応
メタ社は2024年4月にメタAIを立ち上げ、以降Facebook、Instagram、WhatsApp、Messengerに組み込んできました。同機能はFacebook、Instagram、WhatsAppを横断して動作します。このアシスタントは質問への回答、画像生成、ユーザーによる情報作成・検索の支援などを行います。
メタ社はThe Vergeへの声明で次のように認めています。
「この機能が、あのような質問を個人に対して提示することは決してあってはならないものでした」
同社はこの機能が「的外れだった」とし、メタAIが個人的な話題についての質問を提案してしまう原因となった問題はすでに修正したと述べています。
典型的な「認めるが謝らない」的な対応として、メタ社の広報担当者は、AIが表示した情報はあくまで質問をした本人がすでにアクセス可能な投稿から取得したものに限られると指摘しました。もっとも、それでは彼女が何年も前に削除したはずの写真がなぜ表示されたのかについては説明がつかないようです。
繰り返されるメタAIの不祥事
メタAIがプライバシーを尊重してこなかったのは、これが初めてではありません。昨年6月には、多くのユーザーが気づかないままに会話内容を公開状態で共有していたことを当ブログで報じました。翌月には、IDを推測するだけで他のユーザーのメタAIとの非公開の会話を閲覧できてしまう可能性がある別のバグについても報じています。さらに昨年末には、メタAIとの会話内容に基づいてユーザーに広告をターゲティングすることも始めています。
ユーザーにできることは
Facebookのようなサービスが自分の子どもについてどれほど多くを把握できるかを知った親たちが憤慨するのも無理はありません。ロビンスさんは日常的に子どもたちの写真や動画を投稿していましたが、まさか同サービスが何年分もの投稿から情報を集約し、プロフィール化できるとは思ってもいませんでした。そしてこうした事態に直面しているのは、彼女だけではありません。
では、人々には何ができるのでしょうか。むしろ問うべきは「何をすべきでないか」かもしれません。最も明確な答えは、自分の子ども(あるいは他人の子ども)の身元が特定できる写真をSNSに投稿しないことです。プライバシーが脅かされる状況下での追跡を防ぐためだけでなく、さらに深刻な結果を招くリスクを減らすためでもあります。
ロビンスさんは、今後の対応についてこう語っています。
「もうたくさんです。私は子どもたちが特定できる写真や動画をすべて削除するつもりです」
さらに、友人たちにも同じことをするよう頼むつもりだと付け加えています。そうしなければ、友人たちのアカウントからFacebookが子どもたちの写真を収集し、プロフィール作成に利用し続けてしまうためです。
脅威を報じるだけでなく、取り除くところまで。
サイバーセキュリティのリスクを、見出しだけの話で終わらせてはいけません。 今すぐMalwarebytesをダウンロードして、お使いのデバイスを脅威から守りましょう。