米財務省は、Tren de Aragua(TdA)に関連するATMジャックポット攻撃で使われたマルウェアの開発者とされる人物について、制裁を発動しました。あわせて、同人物のネットワークのメンバーと、メキシコに拠点を置く2社も対象に加えています。
制裁対象となったのは、「Prometheus」の通称で知られるAnibal Alexander Canelon Aguirre容疑者です。同容疑者は3月、FBIの「最重要指名手配犯10人」リストに追加されました。サイバー犯罪で同リストに載ったのは、同容疑者が初めてです。財務省は同容疑者を、「ATMジャックポット攻撃に使われたマルウェアの開発者とされる人物」と説明しています。TdAは通常、Ploutusと呼ばれるマルウェアを使用しています。
Canelon Aguirre容疑者のネットワークはメキシコとベネズエラを拠点としながら、標的は米国内のATMです。盗んだ現金は暗号資産なども使ってマネーロンダリングされ、各国にいるTdAのメンバーに渡っています。
財務省は攻撃の手口を次のように説明しています。「通常、犯罪の実行役は標的とするATMを事前に偵察したうえで、機器に侵入してマルウェアをインストールします。その後、マルウェアを遠隔操作で起動し、ATMのセキュリティシステムを回避します。最後に紙幣の払い出しコマンドを送り込み、現金が尽きるか、何らかの形で作戦が妨害されるまで、ATMに紙幣を吐き出させ続けます」
財務省によると、2025年8月時点で、米国全土のジャックポット攻撃による被害報告額は、1,500件超の攻撃で合計4,000万ドル以上に上っています。
外国資産管理局(OFAC)は、Prometheus本人に加え、その共犯者とされる7人も制裁対象に指定しました。全員がネブラスカ州で起訴されており、罪状にはTdAへの物的支援、銀行詐欺共謀、銀行侵入窃盗共謀、マネーロンダリング共謀などが含まれます。
ブロックチェーン分析企業のTRM Labsによると、今回の指定には、Prometheusと共犯者6人に関連する7つのTRON暗号資産アドレスが含まれています。
これにより米国は、制裁対象の個人・団体が国内に保有する資産をすべて凍結しました。米国人は原則として、これらの対象者との取引が禁じられます。対象者に代わって多額の取引を行った外国の金融機関も、二次制裁を受けるリスクがあります。
司法省は、ATMジャックポット共謀事件に関連して119人を起訴しています。すでに複数の被告に判決が出ました。6月には、ベネズエラ国籍のOddry Arnoldo Cabrera TorrealbaとCarlos Javier Padronの両被告が、それぞれ禁錮78カ月の判決を受けています。
8月には、Juan Manuel Gouveia-Aguilera被告に禁錮96カ月の判決が言い渡されました。司法省によると、ATMジャックポットへの関与で科された連邦刑としては過去最長です。
翻訳元: https://www.securityweek.com/treasury-blacklists-most-wanted-atm-malware-developer-and-his-network/