オクラホマ州連邦判事のFlock判決、最高裁のデジタル証拠判断が持つ影響力を示す

オクラホマ州の連邦判事は先週、覚醒剤密売事件で自動ナンバープレート読み取り装置(ALPR)による証拠を排除する判断を下しました。専門家は、これが位置情報の「ジオフェンス」捜索をめぐる最近の最高裁判決によって、今後のデジタル証拠や合衆国憲法修正第4条に関する裁判がどのような影響を受けるかを示す、これまでで最も重要な事例だと指摘しています。

サラ・ヒル判事は10月1日、逮捕した警官がFlock社製ALPRのデータを不適切に使い、メリサ・カイル氏に対する立件を進めたと判断しました。この判断は、6月に出た画期的なジオフェンス判決「Chatrie」に大きく依拠しています。同判決で最高裁の多数派は、第三者のテック企業が保有する過去の携帯電話位置情報を警察が捜索する行為は、修正第4条による制限を受けるとしました。

ヒル判事は、Flockの検索を「ドラッグネット型(地引き網式)の法執行手法に近づいている」と位置づけ、令状なしに行えば違憲となり得るとしました。専門家は、この判断はそれ自体が画期的であり、Chatrieと同様に、今後ALPRデータが争点となる事件を審理する裁判官にも影響を与えると述べています。

連邦判事が、ALPRで収集された過去のデータを法執行機関が検索する行為について、修正第4条に違反し得ると認定したのは、今回が初めての事例の一つです。

オクラホマ州の判決に拘束力のある先例としての効力はありません。それでも意義が大きいのは、これまでの一貫した流れから外れているためです。従来、裁判所は「ALPRは人の行動を刻一刻と追跡するわけではない」として、令状なしの検索も修正第4条上許されると判断してきました。

ヒル判事は意見書の中で、6月の最高裁判決を繰り返し引用しました。ALPRは市民の所在を日常的に記録し、法執行機関が後からさかのぼって利用できるため、一部のALPR検索には令状が必要だというのが同判事の判断です。

今回の事件では、郡保安官代理が、カイル氏の車がカリフォルニア州のナンバーだったことを主な理由に停車させました。保安官代理はその後、Flockを検索して同氏の車両の長期的な所在履歴を入手しました。ヒル判事はこれを「違憲な令状なし捜索」であり、「無差別な大量監視」の一例だと述べています。

ヒル判事の判断によると、逮捕した警官はFlockを使い、約1カ月にわたって複数の州を走行したカイル氏の車の記録を、50件分すばやく見つけ出しました。この意見書は、Flockの検索が相当な理由(probable cause)なしに行われ、カイル氏の憲法上の権利を侵害したと指摘しました。その結果、その後の車両捜索で見つかった証拠は証拠能力を欠くとしています。

6月の判決である「Chatrie対合衆国」は、ジオフェンス捜索が多数の無実の人々の携帯電話の位置情報履歴をまとめて拾い上げる問題を扱いました。この手法は通常、法執行機関に容疑者がいない場合に使われます。捜査当局が、犯行現場周辺にいた全員の位置情報履歴をテック企業に求めるものです。

重要なのは「時間」

長年にわたり、裁判官は一貫して、ナンバープレートを読み取って位置データを集約することに令状は不要だと判断してきました。公道を走行する人には、合理的なプライバシーの期待がないという理由です。しかしヒル判事はChatrieを引用し、ALPRデータの検索が長期間にわたる追跡に使われる場合は、たとえ公道上であっても違憲だと述べました。

「携帯電話も、人目につく公共の場所を移動します」と、ヒル判事の意見書は述べています。

ヒル判事は、ALPRが「憲法上問題となる」のは、「法執行機関が長期間にわたって所在を無差別かつ受動的に記録し、都合のよいときにいつでも、どのような目的にでもその情報を使える場合」だと書いています。

オクラホマ州当局は、この判断に控訴するかどうか、まだ明らかにしていません。

法学者、弁護士、プライバシー擁護派は、オクラホマ州の事件とChatrieの類似性は明白だと口をそろえます。最高裁の判決を受けて、デジタル監視をめぐる判断が今後さらに増えるとの見方です。

「Your Data Will Be Used Against You」の著者で、ジョージ・ワシントン大学ロースクールのアンドリュー・ファーガソン教授は、オクラホマ州の判決についてメールで次のように述べました。「この判断は、Chatrieの直接的な結果であり、最高裁が位置情報の捜索を真剣に捉えていることを示すものです」

ヒル判事は「ALPRを、文字や数字を読み取る高性能カメラとしてではなく、人の移動の全体像を捉え得る追跡システムとして捉えることを選んだ」と、同教授は付け加えました。

ファーガソン教授によると、裁判所が一定の状況ではALPR検索に令状が必要だと述べたのも、今回が初めてです。

8月にはミシシッピ州の連邦判事も、Chatrieを引用し、基地局ダンプは修正第4条に反する一般令状であり違憲だと判断しました。こうした令状は、容疑者を特定しないまま、人や場所を広範に捜索する権限を法執行機関に与えるものです。

警察に「オンデマンド」で提供されるデータ

2026年5月、タルサ郡のフレディ・アラニス保安官代理は、カイル氏の車がウインカーを出さずに車線変更するのを目撃しました。カリフォルニア州のナンバーだったことから、アラニス氏はFlockの全国データベースを検索しました。その結果、カイル氏が過去1カ月に広範囲を移動していたことが分かりました。続いてカイル氏の車を停車させ、再びFlockを検索しました。ALPRの目撃記録に基づいて、所在履歴について踏み込んだ質問を重ねたうえで車内を捜索し、大量の覚醒剤を発見しました。

ヒル判事は、アラニス氏が車内を物理的に捜索したのは不適切だったと述べました。判断の主な根拠は、監視企業Flockのネットワーク接続型カメラシステムと巨大な全国データベースから得た詳細な情報だったからです。

ALPRの検索は「単一の個人を標的としたものではありません」と、ヒル判事の判断は述べています。「ネットワークに接続されたカメラの前を通過するすべての車両の情報を常時収集し、法執行機関の求めに応じて提供するツールです」

ヒル判事は、Flockのカメラが携帯電話ほど詳細には個人の所在履歴を明らかにしないことを認めました。それでもアラニス氏の検索を違憲とし、ALPRのデータ収集は「持続的で、ドラッグネット型の監視」だと述べました。

「重大な判断」

ALPRをめぐっては、ほかにも多くの訴訟が裁判所で係争中です。ほかの裁判官もヒル判事のようにChatrieに依拠すれば、法執行機関によるFlockなどALPRシステムの使い方が変わる可能性があります。専門家によると、長期間にわたるFlockの車両位置履歴の検索に令状が必要になれば、この技術の警察にとっての価値は大きく下がります。

「正義のための研究所(Institute for Justice)」で修正第4条プロジェクトの責任者を務めるロバート・フロマー氏は、取材に次のように語りました。「Chatrieは、ALPRに大きな影響を与える重大な判断です。Chatrieの核心は、令状が不要な従来型の警察活動と、現代的なツールを区別するための『道しるべ』を裁判所が示したことにあるからです」

「Chatrieで[裁判官たちが]示した要素をすべてALPRに当てはめると、ぴったり一致します」と、同氏は付け加えました。「先週のオクラホマ州の判断は、今後続く多くの判断の第1号になると見ています」

Institute for Justiceは、Flockの検索が修正第4条に違反するとして、バージニア州ノーフォーク市を提訴しています。ノーフォークの訴訟の判事は、ALPRが公道上の固定された地点を記録するだけで、運転者を常時追跡するわけではないため、「移動の全体像」という基準を満たさないと判断しました。この訴訟は控訴中です。

Flockの広報担当者は声明で、ヒル判事の判断は「オクラホマ州での最近の複数の判断を含め、全米の同種の訴訟における圧倒的多数の判例に反するものです。控訴され、最終的に覆されると考えています」と述べました。

「この判断は、本件の具体的事実に限られます。拘束力のある先例とはならず、法執行機関がこれら重要な公共安全技術を引き続き使用することにも影響しません」

さかのぼり追跡

Chatrie判決以前、最高裁が現代の警察技術と修正第4条をめぐる事件を審理したのは、2018年が最後でした。このときの「Carpenter対合衆国」で、最高裁は、警察が基地局の位置情報を使って特定の容疑者の所在を割り出す場合、令状が必要だと判断しました。

全米刑事弁護士協会(NACDL)の修正第4条センターで上級訴訟担当弁護士を務めるシドニー・サクスター氏は、ヒル判事の見解は正しいと述べています。ALPRは、データベース検索に令状が必要となるほど十分な過去の位置情報を記録できるというのが、その理由です。

「ALPRネットワークは、犯罪を犯していない人も含めて私たち全員を対象に稼働しています。警察は数回ボタンを押すだけで、私たちの所在をさかのぼって追跡できます」と、サクスター氏はメールで述べました。

「この判断は、Chatrieが位置情報履歴を憲法上保護されるものと位置づけ、身体的な移動を追跡するには令状が必要だと示したことを、正しく認識しています」と、同氏は付け加えました。「携帯電話の位置情報記録とALPRの記録の類似性は、『ページから飛び出してくるほど』明らかです」

サクスター氏はまた、ヒル判事の判断がChatrieの意見と響き合っている点も指摘しました。最高裁が「市民の活動を詳しく調べるための仮想的なパノプティコン(一望監視施設)」と呼んだものを監視技術が法執行機関に与える以上、警察が利用しようとする位置データの量は問題ではないと、ヒル判事が判断したからです。

民主主義技術センター(CDT)のセキュリティ・監視プロジェクトで政策顧問を務めるトム・ボウマン氏は、令状なしに使われるALPRは根本的に違憲だと、メールで述べました。

「同様の異議申し立てが全米で起きると予想しています」と、同氏は語ります。「Flockのような企業が売る中核製品は、誰がどこを走ったかを検索できる全国規模の記録です。まさに、令状なしでは警察が手を出せないと、この裁判所が述べたものです」

「ALPRのビジネスモデルは、最高裁が令状を必要とするとしたまさにその種の、さかのぼり追跡の上に成り立っています」と、ボウマン氏は述べました。

翻訳元: https://therecord.media/oklahoma-flock-ruing-supreme-court-chatrie-decision

本記事は therecord.media の記事を翻訳・要約したものです。