ICANN、法執行機関が非公開のWHOIS情報にアクセスできる仕組みの試験を開始

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シングルサインオンで、人命・重要インフラ・児童に対する差し迫った脅威への対応を支援

ICANNは、法執行機関が非公開のWHOIS情報を緊急に要請できるようにする認証方式の試験を開始しました。対象となるのは、人命や重要インフラへの脅威、児童搾取に対処する必要がある場合です。

ドメインレジストラは顧客に関する情報を収集しており、以前はそのデータがWHOISレコードで一般に公開されていました。プライバシー保護のため、顧客の連絡先の代わりに自社の連絡先を表示するサービスを提供するレジストラもあります。近年はGDPRなどの法律により、レジストラがWHOISデータの非表示を義務付けられるケースも出ています。

この対応自体は妥当ですが、ドメインのリソースが悪用された場合、法執行機関がドメイン保有者に連絡を取りにくくなります。悪用は意図的かどうかを問わず、マルウェアのホスティングやマルウェアのコマンド&コントロール基盤としての利用、フィッシングの助長などが該当します。

ICANNは、WHOIS情報の緊急要請が正当化される行為を「人命、重大な身体的危害、重要インフラに対する差し迫った脅威、または児童搾取」と定義しています。

ICANNは、この問題を検討するため「法執行機関認証メカニズムに関するインプットグループ」を招集しました。同グループは昨日、インドネシア・バリ島で開かれたICANNの年次総会で、検討の進捗を報告しました。

この提案によって、法執行当局がWHOIS情報を不適切に要請できるようになるのではないかと、懸念する読者もいるかもしれません。

ただし、そうした懸念を和らげる要素がいくつかあります。

一つは、セッションでドメインレジストラのNamecheapとVerisignの代表者が提案について発言し、どちらも支持を表明したことです。

もう一つは、インプットグループの作業が主に技術面に限られることです。要請を可能にする仕組みが固まれば、ポリシーを担当するICANN内の別グループが、許容される利用方法や関連する問題を詰めていきます。

これがインターネットガバナンスの進め方です。専門家が問題の各部分をそれぞれ担当し、その後に協力して、技術的に機能し、実用的で、複数の法域で執行可能な堅牢なシステムをつくり上げます。

実現方法

現時点でICANNが採用を望んでいるのは、Security Assertion Markup Language(SAML)を使う方法です。法執行機関の認証済みユーザーが、ICANNの登録データリクエストサービス(RDRS)にログインし、非公開のWHOIS情報へのアクセス要請を提出できるようになります。ICANNはすでに、FBIとインターポールとこの方式を試験中です。一方で、他の機関がRDRSを利用できるように、別の認証メカニズムも受け入れる方針です。インプットグループは、各機関が準拠できる仕様の公開を目指しています。

RDRSに提出された要請は、ICANNが該当ドメインを販売したレジストラに転送します。レジストラは24時間以内に要請を検討します。複雑な問い合わせの場合、期限は最大72時間です。緊急性の基準を満たさないと判断した場合、レジストラは要請を拒否することもできます。

The Registerの読者の中には、FBIのような巨大機関が数千人の捜査官から大量の要請をRDRSに送りつけ、ドメインレジストリを圧迫するのではないかと心配する人もいるでしょう。

ICANNはこれを防ぐため、要請を許可する職員を法執行機関に指名させる方針です。この許可は、SAMLのハンドシェイク時に共有するトークンで強制します。トークンの内容は、インプットグループがICANN内の他のグループに最終決定を委ねる見通しの、ポリシー上の問題です。

もう一つ検討中の課題が、RDRSで要請を出す法執行機関職員の身元保護です。WHOISデータの閲覧要請にメールアドレスが含まれていると、職員が嫌がらせ(あるいはそれ以上の被害)の標的になりかねないとICANNは考えています。®

翻訳元: https://www.theregister.com/networks/2026/10/20/icann-testing-tech-to-let-law-enforcement-access-non-public-whois-info/5304036

本記事は theregister.com の記事を翻訳・要約したものです。