OpenAIは、デスクトップソフトウェアを操作するモデル「GPT-6.1 Terra」を公開しました。ChatGPT WorkとCodexでは、Plus、Pro、Enterprise、Eduの全ユーザーが利用できます。開発者向けには、APIで「gpt-6.1-terra」として提供しています。API料金はGPT-5.6 TerraおよびGPT-6.1 Solの半額で、入力100万トークンあたり1ドル、キャッシュ済み入力100万トークンあたり0.05ドル、出力100万トークンあたり5ドルです。トークンとは、モデルが読み書きするテキストの単位を指します。

OpenAIは、TerraがPreparedness Framework(準備態勢フレームワーク)のサイバーセキュリティ分野で「Critical」しきい値に該当すると説明しています。あわせて、GPT-6 Astra向けに構築した保護策も引き続き適用するとしています。同社が挙げるTerraの大量処理向けの用途は、届いた請求書を読み取り、その内容を会計ソフトに入力する作業です。
「Critical」の意味
2025年4月版のPreparedness Frameworkでは、サイバーセキュリティに2段階のしきい値があり、Criticalはその上位にあたります。次のいずれかを満たすと、モデルはこの水準に達します。1つ目は、ツールを使い、人間が介在しなくても、堅牢化された多くの実環境の重要システムで、あらゆる重大度のゼロデイ(未知のソフトウェア欠陥)を発見し、実際に動作するエクスプロイトを作成できる場合です。2つ目は、高水準の目標を与えられただけで、堅牢化された標的に対する新たな攻撃を最初から最後まで計画し、実行できる場合です。
OpenAIの規則では、リリース計画にかかわらず、開発中から安全対策を講じることが求められます。Criticalの基準を満たす安全対策が具体的に定められるまでは、それ以上の開発を停止することも定めています。OpenAIは2026年9月1日、Astraを同水準に指定した最初のモデルとしました。
プロンプトインジェクション
OpenAIによると、Terraはプロンプトインジェクションのテストで高い耐性を示しました。このテストでは、ユーザーの作業からモデルを逸脱させる悪意ある指示を使っています。TerraはGPT-5.6 Terraと比べ、与えられた範囲内にとどまり、制約や障害を正直に伝える傾向が強いということです。
OpenAIによる評価結果
OpenAIは、専門的なタスクを集めたベンチマーク「Agents’ Last Exam」でTerraを評価しました。建築図面から3Dモデルを作成するタスクなども含まれます。推論の強度が「medium」の場合、TerraはGPT-5.6 Terraを15ポイント上回り、コストは約3分の1です。OpenAIは、トークン単価が10分の1でありながら、GPT-6 Astraと同等の性能だとしています。
推論強度が最大の場合、OpenAIはTerraのトークン効率をClaude Opus 5.5の3倍超、トークン単価を4分の1としています。これにより、タスクあたりのコストは約9分の1になります。またTerraは、GPT-6 AstraやGPT-6.1 Solより3倍以上速くタスクを完了します。
OpenAIが社内で用意した、エラーを誘発するプロンプトのベンチマークでは、推論強度が低い場合のTerraのエラー率が、GPT-5.6 Terraの53.6%から16.7%(6件に1件)へ下がりました。最大強度では18ポイント低下し、4.3%となっています。
難度の高いコーディングは他モデルへ
コーディングエージェントをコマンドライン上の課題で試す「Terminal-Bench 4.0」には、読み込み中にレイアウトがずれるWebページの修正といった問題があります。最大強度のTerraは、このベンチマークでタスクの50.3%を解決しました。GPT-5.6 Terraの公表スコアは21.5%です。それでも49.7%のタスクは未解決のままです。OpenAIは、最も複雑なコーディングタスクにはGPT-6.1 SolやGPT-6 Astraのほうが適していると説明しています。
エージェントがコードを使って研究タスクをこなす「Terminal-Bench-Science 0.1」では、タイムラプス動画内の細胞分裂の追跡といった課題を扱います。最大推論のTerraは、GPT-6.1 Solを低コストで上回りました。Opus 5.5とは5ポイント以内の差に迫り、推定コストは5分の1未満です。
翻訳元: https://www.helpnetsecurity.com/2026/10/27/gpt-6-1-terra-released/