クラウドストライクとエヌビディア、AIエージェントの脅威対策で連携

CrowdStrikeはNvidiaとの提携を拡大し、セキュリティチームがAIエージェントを実行時(ランタイム)に監視できるようにします。将来的にはハードウェアベースの強制適用も計画しています。

CrowdStrikeは10月21日にNvidia GTC Berlinで、AI検知・対応(AIDR)ソリューション「Falcon Guardian」をNvidiaの「OpenShell」ランタイムと統合すると発表しました。この統合により、エージェントのプロンプトやモデルとのやり取り、ランタイム上のアクティビティを、Falconプラットフォーム全体のセキュリティコンテキストと結び付けることを目指します。

OpenShellは「Nvidia OpenShell Reference Architecture」の一部です。同アーキテクチャは、ソフトウェアとハードウェアの両面にわたるエージェント向けセキュリティフレームワークの提供を目的としています。 

現時点でCrowdStrikeが進めているのは、OpenShellを通じたソフトウェアレベルでの統合です。同社は今後、BlueField-4データ処理装置(DPU)上で動作する「Nvidia Sentry」との統合も計画しています。アウトオブバンドの監視とシリコン内でのポリシー強制を組み合わせ、安全でないエージェントの挙動を検知・封じ込める狙いです。

CrowdStrikeの最高事業責任者(CBO)であるダニエル・バーナード氏は、次のように述べています。「CrowdStrikeはAIネイティブなサイバーセキュリティの先駆者です。Nvidiaとともに、ソフトウェア上の脅威検知からシリコンレベルでの阻止まで、自律型AIを守るための標準を打ち立てていきます」

CrowdStrikeの統合がNvidia OpenShellにもたらすもの

Nvidia OpenShellはオープンソースのソフトウェアで、 AIエージェントを隔離された環境内で実行し、リソースへのアクセスを管理するポリシーを強制します。

CrowdStrikeのFalcon Guardianは、エージェント環境向けのガバナンスポリシーと監視機能を提供します。このプラットフォームを使うと、開発者はどのエージェントが稼働しているかを把握でき、アクセスポリシーも強制できます。エージェントの動作を追跡できるトレーサビリティも確保されます。

Falcon Guardianは、AIとOSのテレメトリを活用してエージェントグラフを作成し、エージェントのランタイム上の挙動を追跡します。 

さらに、プロンプトを調査することで、プロンプトインジェクションやデータ窃取攻撃といった脅威も防ぎます。 

CrowdStrikeが計画する統合が実現すれば、Falcon Guardianはクラウド、ハイブリッド、オンプレミス、エッジ、エアギャップ環境のインフラをサポートするランタイムへと拡張されます。OpenShellにはすでにアクセスポリシーの強制機能があります。Falcon Guardianは、これに脅威検知と、Falconのより広範なセキュリティコンテキストを加える形になります。

Nvidiaによると、 OpenShellのPolicy Proverは形式検証を用いて、ポリシーが許可されたアクセス境界内に収まっているかどうかを確認します。あわせて、提案されたネットワークルールが、リスクのある追加アクセスをもたらさないかも検証します。

Falcon Guardianは、ユーザーがAIツールをどう利用するかを管理する制御機能も備えています。CrowdStrikeによれば、エージェントのワークフローを通じて持ち込まれるものも含め、悪意のあるスキルに関わる脅威を検知できるとのことです。

導入前にセキュリティチームが確認すべきこと

AIエージェントは、組織から付与された権限を使って、機密データへのアクセス、ツールの呼び出し、システム変更の実行ができます。そのためセキュリティチームは、エージェントに何が許可されているかだけでなく、実行中に実際に何をしているかも把握する必要があります。

今回の発表は、ランタイムの可視性と、インフラのより深い層での強制適用を組み合わせる方向性を示しています。ただし同社は、OpenShellとの統合を「進行中」、Sentryとの統合を「計画段階」と説明しています。両者を組み合わせた製品の一般提供については、発表では明らかにされていません。

この統合を採用する前に、チームは次の点を確認しておくべきです。対応環境、提供時期、ライセンス要件、そして各コンポーネントが提供する制御機能です。あわせて、アラートの受信者、エージェントを停止できる担当者、調査でユーザーのプロンプトをその後のツール呼び出しやシステム操作にどう結び付けるかも決めておく必要があります。

テストでは、権限のないファイルへのアクセス、機密情報の送信、未承認ツールの呼び出しを試みるべきです。狙いは、これらの行為を制御機能が検知またはブロックできるか、どのような証跡が残るか、侵害されたワークフローを対応担当者がどう封じ込められるかを確かめることにあります。

こうした制御は、より広範な AIガバナンスプログラムの一部として位置付けるべきです。具体的には、権限の範囲を絞ること、重大な操作には承認を必須とすること、エージェントのIDの責任者を明確にすることなどが挙げられます。ランタイム境界は設定された制限を強制できますが、どのアクセスが適切かは組織が判断しなければなりません。

セキュリティ責任者にとっての実践的な指標は、組み合わせた制御によってエージェントが損害を及ぼす能力を減らせるか、そして障害を調査できるだけの可視性を維持できるかどうかです。そのためには、導入した構成をテストし、利用可能な機能を確認することが必要です。両社の提携によるロードマップ全体を当てにするのは、その後にすべきです。

関連記事:セキュリティチームが自らAIエージェントを構築するなか、 最小権限アクセス、人間による承認のチェックポイント、監査証跡が、自動化されたワークフローを制御下に置くうえで不可欠になっています。

翻訳元: https://www.esecurityplanet.com/artificial-intelligence/news-crowdstrike-nvidia-ai-agent-security/

本記事は esecurityplanet.com の記事を翻訳・要約したものです。