英国の警察と消防・救助サービスに対するサイバー脅威は急速に拡大しており、より緊急の対応が必要だと、独立機関の評価が警告しました。
英国王立警察・消防救助監察局(HMICFRS)による報告書『Cybersecurity in Police Forces and Fire and Rescue Services (警察と消防・救助サービスにおけるサイバーセキュリティ)』が10月27日に公表されました。
報告書は、2026年1月から5月にかけて実施した3段階の調査をもとにまとめられました。数十件のインタビューや「実態検証(リアリティ・テスト)」のほか、警察と消防・救助サービスの文書260点以上の精査が行われています。
英国王立警察監察官のミシェル・スキーア(Michelle Skeer)氏は「段階的な改善は見られるものの、サイバー攻撃のリスク増大に対応するため、多くの警察組織と消防・救助サービスが、早急に取り組みを一段と強化する必要があります」と警告しました。
「サイバーセキュリティは、技術的なリスクにとどまらず、組織の中核的な優先事項と位置づけるべきです。幹部は自らのサイバーセキュリティ体制を優先して投資し、攻撃を防ぎ、検知し、対応し、復旧する組織の能力を高める必要があります」
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報告書は、複数の弱点を指摘しています。
- レガシーなICTシステムは、パッチ適用や統合の難しさから「戦略的リスク」と位置づけられている
- サードパーティのリスクにさらされている。特に、機微な警察データを管理するICT事業者や、外部サービス利用時のヒューマンエラーが問題
- バックアップやインシデント対応を含め、備えと回復力(レジリエンス)が未成熟
- アクセス管理、認証、プロビジョニング/デプロビジョニングなど、基本的な統制に不備がある
- 上級幹部レベルの説明責任が欠如しており、警察・消防の複数の幹部が、サイバーセキュリティは日常の業務上の意思決定の一部ではないと主張している
- 全国レベルでの連携が不十分で、各警察組織や消防・救助サービスの間でサイバー成熟度にばらつきがある
改善に向けた計画
HMICFRSは、全国の警察と消防・救助サービスのサイバーセキュリティ態勢を改善するため、13項目の勧告を示しました。
主な内容は次のとおりです。
- 全体の成熟度を高めるための基本的なサイバーセキュリティ基準(サイバー・アセスメント・フレームワークなど)の導入
- サイバーセキュリティ能力に対する第三者評価
- サードパーティのICT事業者に関する調達・契約管理の改善(Cyber Essentials認証の取得義務化を含む)
- 政府と警察のサイバーセキュリティ責任者間の連携強化
- 警察デジタルサービス(Police Digital Service)の国家管理センター(National Management Centre)の利用促進と、消防・救助サービス向けの同様の全国的な能力の整備
- 攻撃に対応する各サービスの備えの改善(バックアップと復元、インシデント対応演習など)
- 上級幹部とサイバーセキュリティ担当職員向けの学習・能力開発の改善
スキーア氏は次のように述べています。「政府が進める警察改革と地方自治体の再編は、両分野にとって、サイバーセキュリティへの取り組みを改善し、より適切に調整する機会になり得ます。サイバーセキュリティを強化するこの機会を逃してはなりません。システムとデータを守ることは、国民を守るために不可欠です」
翻訳元: https://www.infosecurity-magazine.com/news/watchdog-police-fire-service/