米財務省は木曜日、カンボジア、マダガスカルをはじめ、東南アジアとアフリカの複数の国にある詐欺拠点に関わる個人と企業、あわせて数十件に制裁を科しました。
制裁の対象は、プリンス・グループに関連する4人と41社です。プリンス・グループはカンボジアの企業で、10億ドル規模の詐欺ビジネスを運営した疑いが持たれています。
同社はカンボジア国内で数百の拠点を運営していたとされています。拠点では、従業員や人身売買の被害者がサイバー詐欺を強要され、米国、欧州、中国の人々から数十億ドルを騙し取っていました。プリンス・グループは今年、CEOが逮捕され、中国へ引き渡されたことで解体されました。
今回の制裁は、プリンス・グループが詐欺で得た資金のロンダリングを続けるために作り上げた、ペーパーカンパニーの巨大なネットワークを狙ったものです。米国が同社とCEOの陳志(Chen Zhi)氏から暗号資産150億ドル超を押収したのに続き、プリンス・グループに対する3回目の制裁となります。
財務省当局者は、新たな措置が必要だと主張しています。プリンス・グループの関係者は、過去2回の制裁を逃れようとしてきました。詐欺で得た資金へのアクセスを維持するため、ペーパーカンパニーや親族、アシスタントに資金を移していたためです。
財務省は次のように述べています。「プリンス・グループTCOの幹部は、単一の企業構造で活動するのではなく、何層ものオフショア持株会社、外国法人、名義取締役、法人サービス事業者を利用してきました。これにより、資産の支配を維持しつつ、実質的所有者を隠していました」
「本日の指定は、このネットワークの主要な構成要素を対象としています。具体的には、法人の管理を支援し、オフショア企業を運営し、プリンス・グループTCOの幹部にビジネスサービスを提供してきた企業や個人です」
制裁対象には、プリンス・グループの幹部である邱勇(Qiu Yong)氏が含まれます。同氏は英領ヴァージン諸島と香港で複数のペーパーカンパニーを運営していました。
邱氏はカンボジア、セントルシア、トルコのパスポートを持っています。複数の貸金サービスや、ワイン会社などの事業を通じて、プリンス・グループの資金洗浄を手助けしました。香港では、市内やマカオにワインを流通させていることで知られていました。
木曜日には、邱氏のアシスタントである趙夢瑶(Zhao Mengyao)氏も制裁対象となりました。捜査当局によると、同氏は、すでに制裁を受けているプリンス・グループの他の幹部数人とつながりがあります。
制裁対象の残る2人は、カンボジア国籍のHe Yujing氏とVisal Pang氏です。両氏は、制裁対象のプリンス・グループ幹部Chen Bo氏に代わって資産を保有していた疑いが持たれています。
Chen氏は制裁を受ける前に、日本とカンボジアにある複数の不動産や事業を、妻であるHe氏とVisal氏に譲渡していました。
財務省は、今回の制裁から、プリンス・グループの関係者が大規模なロンダリングを組織的に行っていた実態が分かると説明しています。関係者はアジア各国に資金を分散させ、出所を隠していました。
米規制当局は、仲介役の人物らについて、「プリンス・グループTCOが国際金融システムにアクセスし、合法的な商業活動という外観を保つうえで、重要な役割を果たした」としています。
プリンス・グループの人身売買の被害者は、暗号資産詐欺やロマンス詐欺をはじめとするオンライン詐欺を強要されました。同社はカンボジア政府と深いつながりを持ち、国内で自由に活動していました。しかし、米国、中国、タイが国際的な圧力をかけ、カンボジア政府が詐欺拠点の摘発に踏み切りました。
スコット・ベッセント財務長官は、「指導部から、組織が罰を受けずに活動することを可能にしている企業構造や金融面の協力者まで、こうした組織のあらゆる層」を解体することを目指していると述べました。
同長官は次のように話しています。「サイバー詐欺組織は、高度な国際的ビジネスネットワークを使って不正収益を洗浄しながら、米国の被害者から数十億ドルを奪い続けています」
プリンス・グループは昨年、声明で当初は犯罪の疑いを否認しました。しかし、陳氏の逮捕後は事業の大半を畳んでいます。これを受けてカンボジアでは混乱した光景が広がりました。人身売買の被害者とサイバー詐欺拠点の従業員の双方が、牢獄のような施設から逃れ、支援を求めて大使館に殺到したのです。
陳氏の所在や中国での裁判の状況は分かっていません。ただ、中国はこの2年間で、詐欺拠点の指導者複数を処刑しています。
マダガスカルに対する制裁
財務省は木曜日、マダガスカルの詐欺拠点で指導者を務めていたChui Kok Wa氏にも制裁を科しました。この拠点は今年に入って摘発されています。
検察は、Chui氏がカンボジアの詐欺拠点の摘発後に国外へ逃れ、今年の夏にアフリカのこの島で独自の拠点を再開したと主張し、同氏を先週起訴しました。
同氏は、メリーランド州、オレゴン州、ネバダ州、ミネソタ州などの被害者に関連する74の暗号資産ウォレットから、516,695ドルを盗んだとされています。
盗まれた資金は、Binanceなどのプラットフォーム上でChui氏が管理するウォレットに移されました。その後、中国を拠点とする人物が所有する別の口座へ送られています。
翻訳元: https://therecord.media/us-issues-more-sanctions-against-prince-group-scammers