非人間アイデンティティ、企業侵入の新たな最大の入口に

AIエージェントを含む非人間アイデンティティ(NHI)の侵害は、フィッシングと比べて企業への主要な侵入経路となる可能性がほぼ2倍高いことが、SpyCloudによる新たな調査で明らかになりました。

脅威対策企業である同社の「SpyCloud Identity Threat Report」は、北米、英国、スペイン、ドイツ、オランダ、オーストリア、スイスの従業員500人以上の組織に所属するサイバーセキュリティ責任者・実務者750名を対象とした調査に基づいています。

調査結果によると、AIエージェント、サービスアカウント、APIキー、認証トークンといったNHIが侵入全体の31%を占めており、これはソーシャルエンジニアリングによる17%を上回っています。

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この調査結果は特に懸念すべきものです。というのも、ほとんどの組織(95%)がNHIに対して十分な可視性を確保していると考えている一方で、実際に監視を行っているのはわずか36%にとどまるためです。SpyCloudは、これによりマシンアイデンティティが調査対象のアイデンティティリスクの中で最も監視の行き届いていないカテゴリになっていると指摘しています。

回答者の約68%が、調査対象期間中にアイデンティティ関連のインシデントを経験したと回答しており、そのうちNHI関連の悪用は42%に上りました。

NHIにはしばしば高い権限が付与される一方で、利用終了後もアカウントが適切に無効化されず、関連する認証情報のローテーションも行われないケースが多いため、持続的なセキュリティリスクとなっているとSpyCloudは指摘しています。

「この非対称性こそ、攻撃者が突いている部分です」とSpyCloudの最高インテリジェンス責任者であるトレバー・ヒリゴス氏は述べています。「こうしたアイデンティティの一つひとつが、誰かが気づくまで自動更新され続ける“招待状”のようなものなのです」

ガバナンス、盲点、サプライチェーンにおける露出

さらに同レポートでは、AIガバナンスと導入状況との間に不一致があることも明らかになりました。回答した組織のほぼすべてが、社内システムやアプリケーション、データにアクセスできるAIツールやエージェントを使用していると答えた一方で、その権限を管理する正式なプロセスを整備していると回答したのはわずか56%でした。

5分の2(41%)は、非公式なプロセスや部分的な管理体制に頼っていると回答しています。

同レポートではまた、良好なセキュリティ体制を維持するうえで、アイデンティティ関連リスクに対する可視性が極めて重要な要素であることも明らかになりました。

盗まれたセッションCookieに関する洞察を持っていた組織では、アイデンティティ関連インシデントの発生率が37%と、そうした洞察を持たない組織の50%と比べて大幅に低い結果となりました。

回答者によると、サプライチェーンにおけるアイデンティティ関連インシデントの主な原因は、マルウェアに感染したサードパーティ製デバイス(23%)と、ベンダーやパートナーが関与するAPIキーの露出やアプリケーションアクセス(22%)でした。

しかしながら、5分の2近くがサードパーティのアイデンティティ露出を確認する一貫したプロセスを整備していないと認めています。これは、今後12~18か月間はサプライチェーンリスク管理に注力すると回答した組織が3分の1(32%)に上るにもかかわらず、という状況です。

ヒリゴス氏は、組織は攻撃対象領域のいかなる部分も管理が行き届かない状態にしておく余裕はないと主張しています。

「有効に機能している対策はどれも、攻撃者をその対策が及ばない領域へと押しやることになります。私たちがパスワードを強化すれば、攻撃者はセッションを狙うようになり、従業員アカウントを強化すれば、今度はサービスアカウントやベンダー接続に目を向けるようになるのです」と同氏は述べています。

翻訳元: https://www.infosecurity-magazine.com/news/nhis-number-one-corporate-entry/

本記事は infosecurity-magazine.com の記事を翻訳・要約したものです。