企業の90%が、今後2年間で自律型IT運用への移行を望んでいます。複数のステップからなる作業を自ら計画し実行するソフトウェア、いわゆるエージェント型AIが業務を担う形です。ところが77%は、人間の承認なしにAIが運用上の判断を下すことには自社が慎重だと答えています。

こうした企業の大半が想定する自律性は、承認の段階に人が関与する形です。しかし、その前提となる基盤が整っている企業はほとんどありません。自社のIT環境が自律運用に対応できていると答えたのは41%にとどまり、IT運用のうち自動化されているのは19%です。企業は、自社の環境では支えきれない技術を前提に計画を立てていることになります。
承認は人間の手に
自ら管理するITを望む企業は少数派です。多くの企業は、AIにワークフローを提案させ、重要な判断や操作は人間が監督する形を望んでいます。こうしたシステムを導入・運用する技術の専門家は、ビジネス部門やIT部門のリーダーよりも監督を重視しており、自律型ITが自社の運用モデルになると見込む人も少なめです。
基盤面でも、専門家のほうが慎重です。リーダーは、日常的にデータを扱う専門家よりも自社のデータを高く評価しています。計画を立てる側には、実行する側よりも整理された状況が見えているようです。
エージェントにはネットワーク全体が見えていない
回答者のほぼ全員にあたる96%が、AI主導のITにはネットワーク、アプリケーション、エンドポイント、クラウドを横断する可視性が重要だと答えています。ところが、そのすべてを統合できているのはわずか17%です。障害を診断するエージェントには全体像が欠かせませんが、多くの企業ではデータが断片化し、サイロ化しています。
ツールの乱立が状況をさらに悪化させています。回答者の多くは、ツールを統合すれば運用上の摩擦が減ると答える一方、乱立によってシステム統合の必要性が高まったとも答えています。障害のトップに挙がったのは、セキュリティとコンプライアンスへの懸念です。リーダーはこれを最も重く見ており、専門家はツールの分断をリーダーより多く指摘しています。スキル不足や変化への抵抗も課題に挙がっており、技術は取り組むべき課題の一部にすぎません。
エージェントへの監督は手薄
51%が、AIエージェントの性能や信頼性に対する監督が不十分だと答えています。従業員のAIの使い方やそのコストについて、把握が足りないという声も多く聞かれます。AIのガバナンスが機能しているかどうかについても、専門家はリーダーほど自信を持っていません。エージェントの働きぶりを把握できていない企業にとって、承認の段階に人を残すことには明確な理由があります。
IT運用を担当している方は、この51%という数字を自社に当てはめて確かめてみる価値があります。エージェントが安定して動作しているか、どれだけのコストがかかっているかを、今すぐ説明できるでしょうか。
サービスデスクはすでに変わりつつある
回答者のほぼ全員が、2年以内にAIが現場のIT部門やサービスデスクのチームの役割を変えると予想しています。デスク対応そのものが全体的に減るとみる人もいれば、より複雑な問題をデスクが扱うようになるとみる人、担当者が問題への事後対応から未然防止へ移行するとみる人もいます。デスクがほぼ今のままだと予想する人は、ごくわずかです。また、従業員が気づく前にAIで問題を検知して修正することに、自社のITチームがすでに極めて長けていると答えた企業は3分の1に上ります。
翻訳元: https://www.helpnetsecurity.com/2026/10/09/move-toward-autonomous-it-operations/