2026年7月から9月にかけて、ランサムウェア攻撃は3000件近くに上りました。前年同期と比べて大幅な増加です。
Nord Securityの分析によると、この四半期に発生したランサムウェア攻撃は2894件で、前年同期から50%増加しました。
今年の前四半期と比べても小幅に増えています。7月から9月の攻撃件数は、4月から6月より8.6%多くなりました。
10月21日に公開されたNord Securityのレポートは、ランサムウェア活動が大きく増えた背景に、法執行機関によるランサムウェアグループの摘発があると指摘しています。
研究者らは、 Lockbit、 BlackCat、 RansomHubなどに対する措置が、2025年のランサムウェア活動の抑制に寄与したとの見方を示しています。
Nord SecurityでVP(製品研究開発担当)を務めるVakaris Noreika氏は、「市場は今、安定に向かっています。現在の数字は、ランサムウェアの新時代に向けた最初の一歩にすぎません」と述べています。
対立するランサムウェアグループが攻撃を牽引
調査期間中、最も活発だったランサムウェアグループは The Gentlemenと Qilinの2つです。犯行グループを特定できたインシデントのうち、The Gentlemenは383件、Qilinも363件と僅差で続きました。
3番目に活発だったのは Inc Ransomで、攻撃件数は110件でした。このほか、Krybit、Akira、Deadlock、Clop Leaksも、それぞれ100件近い攻撃を行い、四半期中に目立った活動を見せています。
それでも、群を抜いて活発なのはThe Gentlemenと Qilinです。この2つの脅威グループは、2026年を通じて、最も多くのランサムウェア攻撃を行うグループの座を入れ替わりながら争ってきました。Nord Securityの調査では、両グループの対抗意識が、より多くの被害者を狙う新たな攻撃手法の開発を互いに促していると見ています。
Nord Securityの上級脅威インテリジェンス研究者であるMantas Sabeckis氏は次のように話します。「地下フォーラムでの活動を確認したところ、The Gentlemenの創設者は、もともとQilinの有力なアフィリエイトチームの一つを率いていたようです。報酬の未払いをめぐって争いとなり、この問題を地下フォーラムに持ち込みましたが、敗れました」
「そこで彼は新しいグループを立ち上げ、通常の70~80%を大きく上回る90%の分配率を提示して、かつての仲間を引き抜きました。今四半期は、分派したThe GentlemenがQilinを20件上回りました」
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両グループが採用している手法の一つが、ランサムウェア攻撃から暗号化の工程を省くことです。データを暗号化して人質に取る代わりに、攻撃者は被害者から機密データを盗み出し、身代金を支払わなければ公開すると脅します。
Sabeckis氏は「データの窃取のほうが速くて簡単なので、1つのグループが少ない労力で多くの被害者を一度に狙えます。この変化が、攻撃件数が増え続けている大きな要因でしょう」と述べ、「ただし、暗号化がなくなるわけではありません」と付け加えました。
ランサムウェアグループは適応と進化を続けていますが、研究者らは、攻撃の最初の侵入口は大筋で変わっていないと指摘しています。具体的には、侵害されたパスワードの悪用、アカウントでの多要素認証の欠如、未修正のセキュリティ脆弱性などです。
Noreika氏は「最も活発なランサムウェアグループの顔ぶれは定期的に入れ替わりますが、侵入経路は変わりません」と話します。「侵入後の動きは変化しているかもしれませんが、こうした既知の侵入口をふさぐだけで、リスクの大部分は取り除けます」
翻訳元: https://www.infosecurity-magazine.com/news/rival-gangs-vie-for-market/