選挙は、詐欺師にとって格好の材料となります。差し迫った期限、見慣れた顔ぶれ、熱心な支持者、そして行動を促すメッセージなど、人を動かす要素がそろっているためです。
有権者登録を「修正」するよう求めるものもあれば、寄付やアンケートへの回答、支持する政治家が推薦したとされるグッズの代金を要求するものもあります。手口の細部は変わりますが、狙いは常に同じで、金銭や個人情報、あるいはその両方を奪い取ることです。
ここでは、選挙を題材にした5つの詐欺を紹介します。
詐欺1:「投票をお手伝いします」
選挙を題材にした罠が、すべて脅しから始まるわけではありません。投票を楽にすると持ちかけるものもあります。
今回確認したあるテキストメッセージには、「投票用紙を自動で受け取りましょう」と書かれていました。恒久的な不在者投票者リストへの登録を勧める内容で、選挙のたびに投票用紙が自宅に届くと説明しています。さらに「確認済み。追跡可能。確実にカウント」という安心させる文言も添えられていました。

このメッセージは詐欺ですが、ミネソタ州の実在する投票サービスの文言を借用しています。同州には恒久的な不在者投票者リストが実際にありますが、このテキストに記載されたリンクは偽物です。確認や登録を行う場合は、選挙管理当局の公式サイトに直接アクセスしてください。
一方、利便性を売り込むのとは逆に、投票の機会を失うと警告する手口もあります。
たとえば、有権者として登録されていない、登録情報が不完全である、登録がまもなく取り消されるといったメッセージが届き、解決のためのリンクが示されます。
FBIは最近、受信者を偽の有権者登録ページへ誘導するメッセージについて警告しました。こうしたサイトは投票を助けるどころか、犯罪者がさらなる詐欺に悪用できる個人情報を収集します。
ブラジルでは、詐欺師が上級選挙裁判所のロゴを使った偽のWhatsAppアカウントを使用しました。同裁判所の「カスタマーサービス部門」(そのような部署は存在しません)を名乗り、「Soluciona Pendência」(おおよそ「未解決の問題を解消する」の意)というアプリのダウンロードを指示しています。メッセージは、銀行や行政サービスを利用できなくなるおそれがあると偽って警告していました。
詐欺2:「今すぐ寄付して、あなたの候補者を勝たせましょう」
選挙が山場を迎えたちょうどそのとき、資金集めの呼びかけが届きます。候補者の写真、見慣れた選挙運動の言い回し、そして緊急の送金依頼が使われています。
しかし、それが陣営から送られたものとは限りません。
FBIは、詐欺師が候補者や政治資金団体になりすまし、選挙資金の名目で金を集めていると警告しています。被害者は正当な団体を支援しているつもりですが、金は犯罪者の手に渡ります。
寄付する前に、陣営や団体の公式サイトを自分で探し、誰が支払いを受け取るのかを確認してください。カウントダウン表示や寄付の倍額上乗せをうたう文言、敗北が迫っているというメッセージに急かされて判断してはいけません。Better Business Bureau(BBB)も、政治資金の募集について事前に調べ、すぐに行動するよう迫る圧力に屈しないよう助言しています。
詐欺3:「政治アンケートに答えて、報酬を受け取りましょう」
政治関連の世論調査がすべて怪しいわけではありません。しかし、意見を求める依頼が詐欺の入り口になることもあります。
BBBは、質問に答えれば賞品がもらえると持ちかける偽の世論調査電話について警告しています。「アンケート」が終わると、電話の主は、いわゆる報酬に伴う送料や税金などの費用を支払うためとして、クレジットカード情報を求めてきます。
この時点で、候補者に関する質問はすでに役目を果たしています。相手の関心をつなぎとめ、支払いの要求を切り出すための時間稼ぎだったのです。
ほかにも、リンク経由でアンケートへの回答を求める選挙関連のメッセージがあります。こうしたリンクは、想定外の寄付依頼や登録依頼と同じ慎重さで扱ってください。見慣れた政治団体の名前が使われていても、そのウェブサイトの運営者が誰なのかは分かりません。
突然かかってきた世論調査は断ることができます。政治的な意見を述べるためや思いがけない報酬を受け取るために、支払い情報を渡す必要はありません。
リンク先が不明ですか?こちらで確認します。
詐欺4:「選挙罰金を支払ってください」「選挙業務に出頭してください」
罰則をちらつかせる公的機関風の要求ほど、メッセージに切迫感を持たせるものはそう多くありません。
ブラジルの上級選挙裁判所(TSE)は警告を発しました。投票に関する未解決の問題があると偽るメッセージが出回っているというものです。メッセージは偽の政府系サイトへ誘導し、個人情報を盗んだり、金を支払わせたりします。
ブラジルには正規の選挙罰金があり、Pixを含む公式の手段で支払えます。そのため、罰金やPixでの支払いを求められたというだけでは、詐欺と断定できません。支払い義務があると言われたり、選挙業務への出頭を求められたりした場合は、当該機関の公式サイトに載っている連絡先を使って確認してください。メッセージに記載された電話番号やリンク、QRコードは使わないでください。
詐欺5:支持する政治家が「これを買ってほしい」と言っている
政治家の名前は、政治的なメッセージ以外のものを売るためにも使われます。
犯罪者は候補者の名前や写真、ロゴ、スローガンを利用して、届くことのない商品を宣伝します。候補者を応援する手段に見えて、実際には選挙運動のブランドをまとった普通の通販詐欺です。
政治家の名前を使って宣伝される「記念」「愛国」、あるいはコレクターズアイテムとされる商品にも、同じ疑いの目を向けてください。購入する前に、次の点を確認しましょう。
- 販売者は、本当にその政治家や陣営と関係があるのか
- 具体的に何を買おうとしているのか
- 商品の品質や有用性、将来の価値に関する主張に裏付けはあるのか
- 支払総額、返金条件、定期的な課金はどうなっているのか
広告が政治家の写真の横に置かれているからといって、商品が役に立つようになったり、価値が出たり、堅実な投資対象になったりするわけではありません。また、写真があるからといって、その政治家が商品を推薦した証拠にもなりません。
なお、割に合わないと感じる商品と、詐欺的な販売は別物です。コストパフォーマンスが悪いというだけで、自動的に詐欺になるわけではありません。見るべきは明らかな欺瞞です。偽の推薦、虚偽の主張、隠れた手数料、そして注文しても届かないといったケースが該当します。
選挙詐欺から身を守るには
怪しいメッセージについて、対応を決める前にあらゆる詳細を突き止める必要はありません。送信者の管理が及ばない経路でメッセージを確認すれば十分です。
- 選挙の公式サイトに直接アクセスする:登録状況、投票要件、期限、罰則とされる内容を確認します。
- 寄付の依頼は独自に確認する:陣営や団体を自分で探し出し、資金の行き先を確かめます。
- 突然のアンケートで支払い情報を教えない:政治的な世論調査が賞品の代金支払いの要求に変わったら、危険信号です。
- 政治グッズは購入前に販売者を調べる:候補者の名前やロゴがあっても、その店が本物だという保証にはなりません。
- 個人情報を証拠と取り違えない:メッセージにあなたに関する正確な情報が含まれていても、詐欺であることはあります。
- 政治的な選択と、金銭や個人情報の要求を切り離す:想定外のメッセージに返信しなくても、支持する活動を応援できます。
- リアルタイムのWeb保護を利用する:既知の悪意あるウェブサイトのブロックに役立ちます。

プロのヒント:メッセージが詐欺かどうか分からない場合は、MalwarebytesのScam Guardで確認すれば、評価と次に取るべき対応のアドバイスが得られます。
翻訳元: https://www.malwarebytes.com/blog/scams/2026/10/five-election-scams-to-watch-out-for