- CrowdStrike、暴走したAIエージェントの停止・隔離・再起動防止を目的とした「AI Kill Switch」を発表
- 管理者が直接、不審なエージェントの活動を終了させ、インシデントを調査可能に
- 自律型AIの挙動への懸念が高まり、侵害されたエージェントを素早く封じ込める安全対策への需要が拡大
CrowdStrikeは、企業内で暴走するAIエージェントの問題を解決できる可能性があるとして、「Falcon Guardian」製品に新機能「AI Kill Switch」を導入しました。
ここ数カ月、AIエージェントが暴走したり、明らかに悪意のある動作をしたりする事例が相次いで報告されています。カナダの離婚記録の収集といった比較的単純で無害な作業を任された場合でも、エージェントは障害にぶつかるたびに、目的達成のためあらゆる手段を講じました。その中には、ゼロデイ脆弱性の悪用やSQLインジェクション攻撃の試行も含まれていました。
当然ながら、明らかなメリットがあるにもかかわらず、企業はAIエージェントの導入にやや慎重になりました。同時に、サイバーセキュリティ企業やAI開発企業はこの課題の解決に乗り出しており、CrowdStrikeもその一社です。
AI Kill Switch
同社は最近、企業環境内で稼働するAIエージェントの検出と監視を目的としたAI検知・対応(AIDR)プラットフォーム「Falcon Guardian」を発表しました。主な機能は、承認済みのAIエージェントとシャドーAIの両方の特定、エージェントへの指示内容やアクセス可能なファイルの追跡、アクセス制御、プロンプトインジェクション攻撃の検知、不審なエージェントの挙動の調査などです。
今回、同社はAI Kill Switchを追加しました。エージェントが本来の動作から逸脱した際のフェイルセーフとして機能します。
CrowdStrikeの創業者兼CEOであるGeorge Kurtz氏は、次のように述べています。「AIの安全性こそが、AIの恩恵を最大限に享受するための鍵です。キルスイッチを備えてエージェントを展開すれば、主導権を握り続けられます。セキュリティは初めて、テクノロジー導入の推進力と安全網の両方の役割を担うことになります。AI Kill Switchは、AIの安全性を実現する力を人の手にもたらします」
つまり、この機能を操作するのはAIではなく人間であり、エージェントを根本から終了させることができます。同社によると、Falconセンサーがすでに稼働しているエンドポイントから始まり、Falcon Guardianがすでに把握している情報、すなわちエージェントへの指示内容、通信内容、実行内容を土台にしています。
CrowdStrikeはツールの仕組みについて、まずFalconセンサーがエージェントの実行を停止(当初はゲートウェイで、まもなくエンドポイントでも)し、チームが調査する間にエージェントが被害を与えるのを防ぐと説明しています。
次に、ポリシーによって対象のホストまたはホストグループでのエージェントの再起動を防ぎ、同時にエージェントによる企業ネットワークへのアクセスを遮断します。
この操作は権限を持つ管理者が実行し、すべてのアクションが監査証跡に記録されます。
その他のソリューション
この分野に取り組んでいるのはCrowdStrikeだけではありません。たとえばStraikerの「Agentic Kill Switch」では、個々のエージェントの一時停止、各種ツール・API・データへのアクセス権の取り消し、完全なオフライン化が可能です。
JetStream Securityも同様のソリューションを開発しており、他のAIワークフローを妨げることなく個々のエージェントを無効化できます。Trust3 AIの「Agent DOS」にはキルスイッチが組み込まれており、手動で作動させられるほか、エージェントのセキュリティスコアが事前に定めたしきい値を下回った場合に自動で作動させることもできます。
MicrosoftのEntra Agent ID、Palo Alto NetworksのPrisma AIRS、CiscoのAI Defenseもあります。いずれも、エージェントを遮断して深刻な被害を防ぐ、AIのマスターレバーのような仕組みを何らかの形で備えています。