監査責任者の多くは、AIの価値をまだ説明できない

監査担当者は日々の業務でAIを活用していますが、その使い方の大部分は各部門が本人任せにしているのが実情です。Gartnerによると、監査責任者・監査担当者の93%が何らかの形でAIを利用していると回答した一方、正式なユースケースを導入し、監査業務で日常的に運用していると答えたのは15%にとどまりました。

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最高監査責任者(CAE)は、こうした状況を利害関係者に対して説明する立場にありますが、その多くはAI活用がどのような成果を生んでいるかを示せずにいます。5月に実施された調査に回答した142人のCAEのうち、54%はAI活用の価値測定にまだ着手していません。外部委託費の削減や採用抑制といったコスト指標にAIを結び付けて評価しているのはわずか7%で、これらのツールが人員削減によって自ら費用を回収すべきだという意見を耳にした際には、覚えておく価値のある数字です。

同じく5月の調査対象となった161人のCAEのうち、何らかの形でAI戦略を策定済みなのは38%のみで、そのほとんどは監査部門独自の戦略を別途策定するのではなく、部門全体の戦略にAIを組み込む形をとっています。また39%は現在策定中であり、この点ではギャップが縮まりつつあることがうかがえます。

Gartnerのリスク・監査プラクティス担当ディレクターアナリストであるJames Bourke氏は、「監査チーム全体でAIの導入は広がっていますが、正式な戦略が欠如しているため、ほとんどの監査機能はこれらの技術の潜在力を十分に引き出せていません」と述べています。

ツールが使われている領域

ドラフト作成と計画立案が突出しています。743人の回答者のうち60%が、リスクに関する調査やブレインストーミングといった監査業務の事前計画作業にAIを利用していると回答し、同じく60%が監査上の問題点、評価、報告書のドラフト作成にAIを活用していると答えました。リスクと統制のマトリクス(各リスクをそれを検知するための統制と対応付ける表)といった計画関連の成果物や、公開前のドラフトのレビューにAIを適用しているのは、それより少数のグループにとどまります。

監査テストへの活用は30%です。監査テストとは、統制が実際に機能しているかどうかを監査担当者が確認する工程であり、その結果は報告書の結論に直結します。そのため、この段階でのハルシネーションや見落としは、ドラフト内のぎこちない一文よりもはるかに大きな代償を伴います。テストにAIを活用している部門は、モデルが生成した内容をより厳格に検証する必要があるほか、規制当局や外部監査人からその結論に至った経緯を問われた際に耐えうる文書化も求められます。

障壁は「人」と「プロセス」

監査責任者・監査担当者が最も多く挙げた障壁は、AIツール利用に関する期待値の不明確さで48%に達し、次いで個々の監査担当者によるツールの使い方のばらつきが続きました。モデル選定やデータアクセスといった技術・ツール面の問題は、いずれの項目よりも低い順位にとどまっています。回答者の多くが、ソフトウェアそのものよりも同僚の仕事の進め方を課題として挙げた形です。

誰もが自分なりのやり方でツールを使えば、部門としての成果はばらつき、ある監査業務と別の監査業務を比較する基準も持てなくなります。Gartnerが提示する解決策は、価値の高いワークフローに対して構造化されたユースケースを設けることであり、回答者の12%がすでにこれを試験導入しています。

翻訳元: https://www.helpnetsecurity.com/2026/09/15/gartner-ai-in-internal-audit/

本記事は helpnetsecurity.com の記事を翻訳・要約したものです。