中国系APT、AIペンテストツール「Artex」をConnectWise攻撃に悪用

中国と関係のある攻撃グループが、オープンソースのAIペネトレーションテスト・フレームワーク「Artex」を使い、数百の組織を狙った最近のConnectWiseへのハッキングキャンペーンを自動化していたことが分かりました。Microsoftが報告しています。

このグループは「Storm-0940」として追跡されており、少なくとも2021年から活動しています。パスワードスプレー攻撃や、インターネットに公開された脆弱なアプリケーションの悪用によって、複数の業種の組織に侵入することで知られるAPTです。

2026年9月初旬以降、この攻撃グループがArtexを悪用して攻撃を自動化している様子が確認されています。CrowdStrike、Zscaler、Recorded Futureによる過去の報告では、このAIを活用した活動が韓国の金融機関を狙った攻撃と結び付けられていました。

今回、Microsoftは、Storm-0940が10月中旬にArtexを使ってConnectWise顧客の環境への侵入を自動化したと説明しています。これを受け、ConnectWiseはCloud Backup、SaaS Security、Cloud Managementなど複数のサービスを停止しました。

当時、Huntressは、攻撃者が侵害したConnectWiseのアプリケーション認証情報を使い、300を超えるEntraテナントを含む数百のMicrosoft 365テナントにアクセスしていることを確認していました。

Microsoftによると、攻撃グループはArtexを使って、偵察、パスワードスプレー、OAuthアプリケーションの悪用を加速させていました。8組織の300以上のアカウントに対し、1分間に2,900回を超えるペースで試行しています。

Microsoftは次のように述べています。「不正アクセスの後、Storm-0940はArtexを使って2,250を超えるテナントへのサインインを試みました。OAuthアプリケーションの悪用はStorm-0940の典型的な手口ですが、今回はArtexによって、その活動がマシンの速度にまで加速されました」

Microsoftは、この攻撃に関連するログオン失敗イベントを15万1,000件以上記録しました。一方で、ConnectWiseの複数のクラウドアプリケーションのIDを使い、顧客環境への認証に成功した事例も確認しています。

Microsoftは次のように説明しています。「これらの環境の一部では、AIエージェントが(攻撃者の代理として)認証にとどまらず、Microsoft Graphやディレクトリ操作にまで進みました。具体的には、偵察、永続化のためのアプリケーション認証情報の変更、ID・グループ・特権ロールに関わる変更などです」

Microsoftは、攻撃者がアプリケーションの認証情報を変更したことで、該当アプリケーションが修復された後も、被害組織の環境への永続的なアクセスを確保できたと警告しています。

この大手テクノロジー企業は次のように指摘しています。「組織は、サービスプリンシパルのサインインを、その後のMicrosoft Graphのアクティビティ、ディレクトリの変更、リソースへのアクセスと併せて調べ、不審なイベントを正規の管理者による作業と突き合わせて確認すべきです」

Microsoftによれば、Storm-0940は9月初旬以降、Artexを使った自動化攻撃を、航空宇宙、自動車、化学、防衛、エネルギー、金融サービス、政府、法務、製造、メディア、軍事、半導体、ソフトウェア、テクノロジーの各業種の数百組織に仕掛けています。非営利団体やシンクタンクも標的になりました。

今週、Zscalerは、Storm-0940のAI支援型攻撃に関する技術的な詳細分析を公開しました。攻撃グループによるArtexの使い方のほか、その設定、同期スクリプト、Claude Codeのプロンプト履歴、ネットワークルーティングツールの詳細などを取り上げています。

翻訳元: https://www.securityweek.com/china-apt-uses-ai-pentest-tool-artex-in-connectwise-attacks/

本記事は securityweek.com の記事を翻訳・要約したものです。