ISC2は年次調査『Cybersecurity Workforce Study』を通じて、世界的なサイバーセキュリティ人材不足を長年追跡してきました。そのISC2が今回、「Cyber-AI Workforce Coalition」を立ち上げ、この職業の将来像づくりにより積極的に関わる姿勢を打ち出しました。
10月20日に発表されたこの新たな連合は、2025年12月にISC2のCEOに就任したスコット・ビール(Scott Beale)氏が打ち出した最初の主要施策の一つです。
ビール氏は10月26日、コロラド州デンバーで開催された「ISC2 Security Congress 2026」の場でInfosecurityの取材に応じ、CEO就任後の最初の6カ月間は会員の声に耳を傾けることに費やしたと語りました。
この意見聴取で明らかになった重要な点は、ISC2会員の大多数が、この非営利団体にAIの安全性とセキュリティの分野へより野心的かつ積極的に踏み出してほしいと望んでいることでした。
「私たちは、このAI時代に待ち受ける数多くの課題に向けて、サイバーセキュリティ人材の準備を支援できる協会になりたいと考えています」とビール氏は付け加えました。
AIセキュリティ人材の全体像と、新たに生じるスキルギャップの把握
ビール氏は、この連合を世界のサイバーセキュリティ専門家にとっての「ベンダー中立の招集役」と位置づけています。参加を見込むのは、人事責任者やCISOといったオピニオンリーダー、サイバーセキュリティ人材を多く雇用する大手企業、標準化団体、さらには政府の代表者です。AIの影響でサイバーセキュリティの職務がどう変化しているかを議論します。
「米国立標準技術研究所(NIST)などが標準やフレームワークを更新している最中でも、こうした職務をどう募集し、どう充足させるのが最善なのかについて、企業は依然としてリソース不足に直面しています。銀行がこれらの職務をどう記述するかは、病院の場合とはまだ大きく異なります」とビール氏は述べました。
ビール氏によると、AIとサイバーセキュリティが交わる領域での採用ニーズは、いまだ不透明です。AIが将来のサイバーセキュリティ専門家の需要にどう影響するのか、AIセキュリティの職務で最も重要になるスキルは何か、経験豊富な実務者が新たな需要に応えるにはどうスキルを高めればよいのか。これらの問いには、まだ答えが出ていません。
「この連合は、現場の人々の声を直接聞き、その要望に応えられる形で業界を前進させるための手段です」と同氏は語りました。
AIセキュリティ職の定義と採用に役立つ実践的ツール
実際のところ、この連合が新たな標準やフレームワークを作ることはありません。代わりに、AIとサイバーセキュリティが交わる領域の新しい職務を雇用主が記述する際に役立つツールキットの提供に力を注ぎます。
ツールキットには、雇用主がサイバーセキュリティ人材をどのように採用・育成・組織化すべきかという指針が含まれます。あわせて、実務者が雇用主の求める専門性をどう見極め、身につけていくかという指針も盛り込まれます。
これらの新ツールは、次の3つの主要な問いに答える助けとなります。
- サイバーセキュリティの職務はどう変わっているのか
- 雇用主はこれらの新しい職務の求人票をどう書いているのか
- 候補者はこれらの職に就くため、面接などにどう備えているのか
「ご存じのとおり、ISC2は新たなAIセキュリティ認定資格に取り組んでいます。これも答えの一部になり、新しい職務を定義する助けになると考えています」と同氏は話しました。「ただし、この問題に対する唯一の解決策を持っているなどと言うつもりは決してありません」
連合は11月に初会合を開く予定です。ビール氏は、2027年春までに最初のツールキット群を開発し、一部の企業にパイロット段階で活用してもらい、AIセキュリティ人材の採用に役立てたい考えです。
連合が作成するツールは、最終的にはISC2の会員だけでなく、誰もが利用できるようになる見通しです。ビール氏は、大学や認定機関がカリキュラムを調整する際にも役立つとみています。
翻訳元: https://www.infosecurity-magazine.com/news/isc2-launches-cyberai-workforce/