AIではサイバーセキュリティの人材難は解決できない

AIや新たな規制要件が採用方針を変えるなか、各組織はワークフォースフレームワークを通じてサイバーセキュリティ職の再定義を進め、検証済みスキルをより重視するようになっています。SANSの「2026 Cybersecurity Workforce Survey」によると、新設された職種の専門人材に対する需要はこの1年で2倍以上に拡大し、既存のサイバーセキュリティスキルに対する採用意欲も高まっています。

AIがセキュリティ業務を変える

AIは手作業による分析を減らし、定型業務を自動化する一方で、AIガバナンスやエンジニアリング、リスク管理に特化したセキュリティ職の需要を生み出しています。

回答者の54%がAIセキュリティポリシーを策定済みと回答した一方、包括的なAIセキュリティ研修を提供しているのはわずか38%にとどまりました。組織の4分の1近くはAIガバナンス計画を全く持っていません。

組織の実に4分の3近くが、AIがチーム構成に影響を与えたと回答しています。最も多く挙げられた変化はワークフローの自動化と手作業分析の削減で、人員削減に至ったと報告した組織は比較的少数でした。

企業各社はAIセキュリティエンジニア、AIガバナンスアナリスト、AI/MLセキュリティスペシャリストといったAI関連のセキュリティ職を新設する一方、経験豊富なサイバーセキュリティ人材のポジションは依然として最も充足が難しい状況です。

コンプライアンス対応が専門人材への需要を拡大

規制要件は、企業がサイバーセキュリティ人材を採用する際に求めるものを変えつつあります。各社はサイバーセキュリティの役割やスキルを標準化するため、NICEや欧州サイバーセキュリティスキルフレームワークといったワークフォースフレームワークの導入を進めています。

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指令・規制がもたらす主な影響(出典:SANS)

NIS2DORA、DoD 8140、SEC、CMMCといった規制は採用の優先順位を変え、専門的なサイバーセキュリティ職への需要を高めています。これらの規制の多くは、重要インフラ、金融サービス、防衛関連企業といった特定のセクターに適用されるものです。

「各組織は全く新しい専門職ポジションを構築し、規制要件に合わせてチームを再編しています。それを怠れば、実際に執行措置という結果を招くことになります」と、SANS InstituteのCEOであるJames Lyne氏は述べています。

企業がサイバーセキュリティのスキルを証明しようとするなか、資格認定は採用や監査、顧客要件、キャリア開発においてもますます重要性を増しています。

経験豊富な人材の採用は依然として困難

経験豊富なサイバーセキュリティ人材は、依然として最も採用が難しい職種です。CISOを含む上級管理職やサイバーセキュリティマネージャーがサイバーセキュリティ関連の採用判断の大半を担っており、上級職のポジションは最も充足に時間がかかる状況が続いています。

また各組織は、明確に定義されていないサイバーセキュリティのキャリアパスを採用・定着面での課題として挙げており、キャリア形成の道筋を明確に定めている組織は比較的少数にとどまっています。

スキルギャップが人員不足を上回るペースで拡大

AIや新たな規制、脅威の変化を受け、企業各社はセキュリティチーム全体で求められるスキルにおいて、技術的な能力を優先するようになっています。

時間と予算は依然としてスキルギャップ解消における最大の障壁であり、研修や能力開発の機会を制限しています。各社はこうしたギャップが、プロジェクトの遅延、インシデント対応の鈍化、バーンアウトの増加、新技術導入の困難さにつながっていると回答しています。

採用基準としては、実務経験よりも技術的な能力が重視される結果となり、実証済みのスキルが最優先されています。

翻訳元: https://www.helpnetsecurity.com/2026/07/22/cybersecurity-workforce-trends-report/

ソース: helpnetsecurity.com