世界の組織のうち3割近く(29%)が過去12カ月間に少なくとも1件のサイバー攻撃の被害に遭ったことが明らかになりました。こうしたインシデントは、金銭面・業務面・人的面において被害組織に大きな影響を及ぼしています。
Hiscox Cyber Readiness Report 2026によると、攻撃の被害に遭った組織は、この期間に平均4件のインシデントを経験したと報告しています。
攻撃を受ける可能性が最も高かったのは英国企業で、38%の組織が攻撃の成功を報告しています。一方、米国の組織は最も被害に遭う可能性が低く、その割合は20%にとどまりました。
過去12カ月間のサイバーインシデントによる組織の被害額は、平均で約5万2000ドルに上りました。インシデント1件あたりの被害額が最も高かったのはイタリアで、13万4138ドルに達しています。
攻撃による業務面への影響も甚大で、インシデント発生後の組織のダウンタイムは世界平均で32.8時間に及びました。
さらに今回の調査では、サイバーインシデントが戦略や成長の機会にどれほど悪影響を及ぼし得るかも浮き彫りになりました。サイバー攻撃の被害に遭った組織のうち、以下のような回答が寄せられています。
- 32%が成長・事業拡大や新規事業の取り組みに遅れが生じたと回答
- 31%が人員増強や外部専門家の起用によるコスト増を指摘
- 30%が財務パフォーマンス、企業価値、信用格付けへの悪影響があったと回答
- 29%がビジネス機会やパートナーシップを失ったと回答
- 28%が金銭的な罰則の影響を受けたと回答
- 26%が風評被害を被ったと回答
9月15日に公開されたHiscoxのレポートでは、サイバーインシデントが人に与える影響についても指摘されています。被害組織の7割近く(69%)が、サイバー攻撃後に従業員の燃え尽き、強いストレス、あるいは職場文化の悪化を経験したと報告しました。
このレポートについて、Talion Cyber SecurityのCEOであるKeven Knight氏は、今回の調査結果は経営層への警鐘となるべきだと述べています。
同氏は次のようにコメントしています。「ダウンタイムとは単にコンピュータが使えなくなることを意味するのではありません。サービスの停止、従業員が業務を遂行できなくなること、さらには組織が提供するサービスや製品に顧客がアクセスできなくなることまで含まれます」
Knight氏はさらにこう付け加えています。「ダウンタイムが1秒続くごとに、企業には金銭的な損失が発生します。これこそがサイバーが組織に極めて具体的な影響を与える瞬間であり、取締役会のメンバーや経営層が決して見過ごしてはならない点です」
高まるサイバー脅威への企業の対応
今回のHiscoxの調査は、英国、欧州、米国のセキュリティ意思決定者6800名を対象に実施されたもので、企業がサイバーレジリエンスの強化に年間平均で約5万1000ドルを投資していることが分かりました。
この投資には、従業員向けサイバーセキュリティ研修の刷新(62%)、サイバーセキュリティ担当人員の追加採用(55%)、新たなソフトウェアやツールの購入(51%)などが含まれます。
さらに、回答者の32%が、自社において役員報酬や業績評価指標をサイバーセキュリティの成果と直接連動させていることを明らかにしています。
同保険会社はまた、企業が自社環境で導入するAIツールのセキュリティ向上に向けた取り組みを進めていることも報告しています。具体的には、AIおよびサイバーセキュリティに関する従業員のスキルアップ(33%)、AIリテラシー・研修プログラムの拡充(33%)、AIリスクが確実に補償対象となるようサイバー保険契約を見直すこと(32%)、定期的なAI監査の計画(31%)などが挙げられています。
Hiscoxは次のように述べています。「企業が懸念しているのは、将来起こり得る投機的なAIのシナリオよりも、汚染された学習データ、脆弱なサードパーティ製ツール、人による監視の低下といった、すでに存在している現実的なリスクです」
翻訳元: https://www.infosecurity-magazine.com/news/cyberattacks-cost-organizations/