ペネトレーションテストは、これまでのような稀に実施される点検作業から、常時稼働するデジタル監視ツールへと姿を変えつつあります。パロアルトネットワークスは、Claude Mythos 5、GPT-5.6-Cyber、およびオープンウェイトモデルを活用し、顧客のインフラに存在する脆弱性を継続的に探索するサービス「Unit 42 Continuous Frontier AI Defense」を発表しました。パロアルトネットワークスは同サービスの詳細をサービス発表資料で説明しています。
ベースライン構築から継続的テストへ
このシステムはまず、利用可能なインフラ全体のベースライン像を構築し、その後、環境の変化に合わせてチェックを繰り返します。テストの対象範囲は、Webアプリケーション、API、クラウドインフラ、ソースコードリポジトリ、ネットワーク資産にまで及びます。目的は単に欠陥を見つけることではなく、初期侵入から攻撃者が実際に到達し得るリソースまで、実際の攻撃経路を検証することにあります。
背後で動く複数モデルの連携体制
Unit 42が独自に開発した複数モデル連携システムがタスクの振り分けを担っています。パロアルトネットワークス社内の評価によれば、複雑な環境において単一のモデルが発見できる脆弱性は40%を超えることはなく、Claude Mythos 5とGPT-5.6-Cyberの発見内容が重複するのは10%未満にとどまります。同社は、それぞれのモデルが最も得意とするタスクに割り当てられる仕組みだと説明しており、これは同サービスを紹介するブログ記事でさらに詳しく述べられています。
発見内容に設けられたガードレール
発見された問題が自動的に制御不能な攻撃へと発展することはありません。テストの境界はあらかじめ顧客との間で合意され、Unit 42の専門家がモデルの導き出した結論を検証し、悪用チェーンの成立を確認します。モデルが技術的には偵察、脆弱性の探索、さらなる横方向移動の可能性の検証といった、攻撃者になじみ深い行動を実行する点は同じでも、この仕組みによって本サービスは自律型の悪意あるエージェントとは一線を画しています。
リスクが確認されると、同サービスはその深刻度に応じて優先順位を付け、コードの修正や、正式な修正が施されるまでの一時的な防御ルールなど、攻撃経路を塞ぐ具体的な方法を提案します。パロアルトネットワークスはまた、自社のゼロデータ保持アーキテクチャにより、顧客のソースコードやテレメトリが公開モデルの学習用に保持されることはないとしています。
開発期間6カ月、投資額1,700万ドル
この技術は6カ月間かけて開発・検証されており、手法とリサーチに1,700万ドルが投じられました。パロアルトネットワークスによると、試験は100件を超えるUnit 42の実案件にわたって実施されたとのことです。同社自身の社内インフラでは、3週間にわたる継続的スキャンによって、従来型の点検を1年間続けた場合に匹敵する量の問題が発見され、製品ごとの重大な発見件数は3.2倍に上りました。
顧客向けテストで見えてきたもの
顧客向けの実案件では、テストを行ったすべての環境で脆弱性が発見され、同社はそのうち37%を「高」または「重大」レベルに分類しています。サードパーティ製アプリケーションにおける問題の3分の2以上には、既知のCVEが割り当てられていませんでした。この結果は、公開済みの脆弱性リストを眺めるだけでは、真の攻撃対象領域を把握するには不十分であることを示しています。
今回の発表に至る背景
今回の発表の背景には、すでに一定の土壌が形成されていました。Anthropicはこれまでに、Claudeが単独で偵察を行い、攻撃を仕掛け、攻撃の最中に行動を調整した事例を示しています。同時に、Mythosをベースに構築されたプロジェクト群は新たなCVEを大量に発見し続けていますが、そうした発見が実際の攻撃で悪用されたと確認された例は、今のところまだ稀にとどまっています。
Unit 42 Continuous Frontier AI Defenseは現在、年間契約により世界中で利用可能となっています。使用されるモデルの組み合わせは選択したサービス階層によって異なりますが、いずれの構成でも複数モデル連携システムを通じて処理が行われます。パロアルトネットワークスは、企業のインフラが変化し続ける中で、定期的な点検を発見・確認・是正の継続的なサイクルへと置き換えることを目指しています。
翻訳元: https://meterpreter.org/unit-42-continuous-frontier-ai-defense/