攻撃者はどのようにしてclaude.aiドメイン上に偽のClaudeダウンロードページをホストしたのか

脅威アクターがAnthropicのClaude Artifacts機能を悪用し、ユーザーをマルウェアへと誘導していたことを、Huntressの研究者が明らかにしました。

Claudeデスクトップアプリを検索してBingのスポンサー広告をクリックしたユーザーが標的となり、少なくとも29の組織の従業員が7月中の2日間で侵害されました。

この広告は本物のclaude.aiドメインを指していましたが、リンク先は攻撃者が公開したパブリックアーティファクトで、そこからSectopRATを配布する偽装ダウンロードサイトへとリダイレクトされる仕組みになっていました。

Claude Artifactsとは何か

Artifactsは、コード、文書、図表、あるいはWebページ全体といった特定のコンテンツを、会話中のテキストとしてではなく、チャット横のパネルに表示するClaude.aiの機能です。

さらに重要な点として、ユーザーはアーティファクトを公開リンクとして発行でき、Claudeアカウントを持たない誰でも閲覧できるようにすることが可能です。

今回のケースでは、被害者候補が誘導されたアーティファクトが、正規のClaudeダウンロードページに見えるよう作り込まれた完全に機能するページをレンダリングしていました。それがClaude.aiドメイン上にホストされていたことが、この錯覚を完成させていたのです。

その正体を示す唯一の手がかりは、左上に表示された「Content is user-generated and unverified.(コンテンツはユーザー生成のものであり、検証されていません)」という短い一文でした。しかし、この免責表示は見落とされやすいものでした。

偽のダウンロードページを表示するClaude Artifact(出典: Huntress)

Huntressはこのアーティファクトをアンthropicに報告し、同社が調査結果を公表した7月22日までに削除されました。その時点で、このページは7,100回閲覧されていました。

マルウェアの配布経路

「Download」ボタンをクリックすると、被害者は外部ドメインへとリダイレクトされました。最初はclaude.ai.download-app[.]us、その後はdownloading-api.it[.]com/html/claude/winへと転送され、そこからバンドルファイルがダウンロードされる仕組みでした。

このバンドルには、DLLサイドローディングの脆弱性を抱えた、リネームされた(ただし署名は正規の)JetBrainsのバイナリ、実際のマルウェアを内包する改ざん済みのlibcef.dll、そしてディスクに書き込まれてスケジュールタスクとして登録され、マシンへの再感染を続けられるようにする実行ファイル(DockerDesktop.exe)が含まれていました。

使用されていたマルウェアはSectopRATで、ユーザーのクレジットカード情報、個人情報、ファイル、パスワードを窃取して外部に送信するリモートアクセス型トロイの木馬(RAT)です。

実行者の追跡

攻撃者はペイロードの上にいくつもの防御層を重ねており、Huntressの研究者はこれらを解析してコマンド&コントロールのアドレスを突き止めるまでに、相当な労力を費やし(さらにClaudeも活用し)ました。

最終的に、過去のマルウェア配布キャンペーンとのつながりが判明しました。

WHOISの登録情報とValidinのインテリジェンスプラットフォームにより、download-app[.]usの登録が、2025年12月まで遡って10個のドメインに関連付けられたメールアドレスと結びついていることが特定されました。そのうちの一つ、polse[.]usは、StealC情報窃取マルウェアをホストしていたと特定された後、Operation Endgameの一環としてマイクロソフトによって差し押さえられていました。

Huntressはさらに、この攻撃者を2026年4月のキャンペーンとも結びつけました。このキャンペーンではDocker Hubを利用して偽のDocker Desktopインストーラーを配布しており、今回と同じlibcef.dllサイドローディングの手口が使われていたほか、信頼されたドメインを利用して警戒心を解く手法も共通していました(そして、これが今月のバンドルにDockerDesktop.exeというファイル名が残っていた理由を説明しています)。

Huntressがユーザーに向けて助言しているのは、ソフトウェアをダウンロードする際に検索エンジンの広告やトップレベルドメインを無条件に信用しないことです。脅威アクターは、人気の検索エンジンを通じて悪意ある広告を出稿し、正規のプラットフォームやドメイン上に悪意あるコンテンツをホストする方法を見つけ出す手口に長けるようになっています。

翻訳元: https://www.helpnetsecurity.com/2026/07/23/anthropic-claude-artifacts-download-malware/

ソース: helpnetsecurity.com